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アイヌとタバコと武田邦彦さん [雑感・日記・趣味・カルチャー]



武田先生のおっしゃるように、アイヌの人たちは平和的で正直な人たちでしたが、和人(我々日本人)は嘘つきで、やり口が汚いために、アイヌとの3度の戦争に勝利し、アイヌを支配下に置くことができたという話は事実に基づいています。しかし、アイヌの人たちはタバコを吸う人たちなので、平和的で、タバコを吸わない人たちは攻撃的だというのは100%の嘘です。武田先生もやはり嘘つきですね。息をするように嘘をつく「和人」ですからね。

旧日本軍の兵隊さんたちはほぼ全員タバコを吸っていました。タバコと攻撃性に関する因果関係や相関関係は科学的に証明されていないと思います。

この手の科学的な根拠がない主張を、「科学者」の看板を使って、さも科学的であるかのようにぶっこんでくることがあるので、武田さんの話はつねに眉に唾を付けて聞かないといけません。

YouTubeには、アメリカも中国も共産主義化していると語る武田さんの動画も上がっていますが、共産主義と資本主義と社会主義の定義もせずに、共産主義を独裁制と混同している、いや混同させようとしているところが悪質です。資本主義は、資本を拡大させることを経済活動の中心とする運動のことですし、共産主義は私的所有を放棄し、コミュニティーで財産を所有するという考えです。社会主義は、個人の自由を過剰に優先させず、経済的に不平等を感じないような社会を構築することを目指す考えです。いずれも社会体制を経済的な側面から見たものです。一方、独裁制は政治的な社会体制です。経済と政治をいっしょくたにしてしまうのは、よくある間違いですね。論理的ではありません。

男は、生物学的に、存在する価値がないという説をさも科学的であるかのように武田さんが語っている動画もあります。驚きました。科学者である福岡伸一さんもアリマキ(アブラムシ)を引き合いに出して似たようなことを言っていますが、人間のオスは存在価値がないとまではさすがに言いません。確かに、かつては生物は単性生殖が主でした。しかし、そうなるとクローンばかりになるので、遺伝子を変えた子孫を作り、環境に適応できる確率を上げるためにオスが誕生しました。その点で、存在価値があるのです。武田先生によると、オスは生殖活動をし、子孫を作った後でも、種の存続を図ることとして戦うことが男の役目だったが、いまは戦争もないので、やはりオスは必要がないと断言しています。ところが別の動画では、社会システムの構築は、近眼的な女性には無理なので、男性の役目であると言っています。支離滅裂です。また、尾崎豊の「15の夜」は、校舎のガラス窓を叩き割って、盗んだバイクで走り去ることをした末に、男は存在価値がないことに尾崎が気づいたことを歌っているという珍説を開陳しています。尾崎は、バイクも盗んでいないし、校舎のガラス窓も割っていないはずです。男女の区別の話もしていませんし、武田さんは論理が飛躍しすぎています。あの歌は、男女の話ではなく、個人は社会体制に対して無力であることを受け入れなければいけないが、受け入れたくないという少年の葛藤を歌ったものです。だからこそ、大人にも共感されるのです。男は必要ではないことを歌っているだなんて、視野が狭すぎますね。

「血糖値スパイク」もNHKの造語で、科学的ではない、日本人を病気にさせるためのNHKの陰謀だとも述べている動画があります。確かに英語ではグルコース・スパイクです。グルコースはブドウ糖のことですが、血液中のグルコースの量の値が血糖値というのですから、嘘を言っているわけではないでしょう。その程度のことを突いて、NHKは嘘つきだというのは、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」みたいなものです。小さな間違いを取り上げて、その存在を全否定するようなやり方は、論理的でも科学的でもありません。それは強権的な独裁者が、自分の考えに反することをした部下を粛清をするときに使う凶悪な論理です。

とはいえ、武田先生は、まともなこともきちんと言っています。南極の氷が解けて、海水面が上昇するという嘘は、確かに何度でも否定してほしいと思います。まさに、「アルキメデスの原理」です。小学生にだって分かる話ですよね。私もこれを15年以上前に武田先生の本を読んで、テレビに騙されていたことを知りました。当時はよく理系の学生にわざわざこの質問をして、その学生の知的レベルを測るために使っていました。

氷が解けたら水面はどうなるのお話 │ カガクのじかん