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覚悟はできていますか [雑感・日記・趣味・カルチャー]

そろそろ危機感を持ったほうが良い~自動車産業が日本経済に示す黄色信号(中村智彦) - 個人 - Yahoo!ニュース

昔々、日産という自動車メーカーが経営難に陥り、どこの馬の骨かわからない男がやってきて社長になりました。「コストカッター」だとか「コストキラー」だとか呼ばれ、いい気になっていたその無慈悲な男は、日産の経営を立ち直らせるために、外国人としての「しがらみ」のなさを利用して、大リストラを断行しました。

そのときに私は悟りました。労働者は生産者でもあり、かつ消費者でもあるゆえに、この方法がブーメランとなって日産に返ってくることを。

従業員を解雇すれば、彼らは消費者でもあるのですから、日産のクルマが売れなくなるのは間違いがありません。日産に勤務する従業員が親族に一人でもいると、その人の縁もあって、うちも日産にするかとなって、芋づる式に何台も日産の車が売れることが昔はありました。しかし、その人がクビになったと聞くと、「日産という会社はそういう無慈悲な会社なんだね。そんな会社にわざわざ貢ぐのも癪だから、これからは日産車は買わないようにしよう」と言うことになり、パタリと売れなくなるのです。

内需というものはそういうものです。「しがらみ」を理解しない日産の社長は、内需を捨てて、外需を優先しました。同じことは自動車産業だけではなく、たとえば電機メーカーのような他業種でも行っています。その結果、内需は沈没していきます。

内需を捨てても、外需に頼ればなんとかなるというのも限界があります。外国でも国内と同様に、諸事情により、ものが売れなくなることもあります。いまがまさにそうです。そうなると、内需も外需も不活発になり、企業は経営難に陥ります。輸出のみに頼ってきた他の分野もほぼ同じ状況でしょう。

自分たちの会社の経営を優先すると、回り回って他の人たちにも悪影響を与え、それがまたブーメランとして戻ってきて、社長のクビをチョキンと刎ね飛ばすことになります。

内需の重要性を無視した企業経営者や為政者たちの浅知恵のために、20年経ってようやくその悪影響がよりいっそう大きな波として戻ってきました。

その大波に飲まれて、いままさに日本は沈没しようとしています。

日本では、この深刻な状況をいまだにわかっていない企業経営者や為政者がふんぞり返っています。庶民の実質賃金がだだ下がりの不景気下で、自公政権は10月に消費税の増税を断行しますが、アベノミクスの効果が出て、増税できるくらい景気が良いんだ、と言うための増税にしか思えません。

阿呆な経営者や為政者についていった一般庶民を待ち構えているのは、断崖絶壁です。谷底は相当に深そうです。落ちたら生きては戻ってこられないでしょう。

みなさんはもうすでに覚悟はできているのでしょうか。