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「老害」という言葉 [雑感・日記・趣味・カルチャー]

昨日、電車の中で女子高生が「老害」という言葉を使っているのを聞きました。音声として聴いたのは生まれてはじめてだったのでびっくりしました。同時に落胆し、憤慨を覚えました。

「老害」という言葉は、文字ではよく見ますが、パブリックな場で、年長者を軽蔑、侮蔑するために使ってはいけない言葉です。そのような言葉を使えば、人間としての品格が大いに疑われます。

彼女は自分に対して有害な存在、自分の存在を脅かす存在を「老害」と呼び、友人からの共感を得て、溜飲を下げているのでしょう。しかし、そのような態度を電車の中というパブリックな場で示すことは、自身の人間性の低さと知性のなさと視野が狭さを世間にさらしてしまうことになるのです。極めて恥ずべき行為です。

あと20年もすると、彼女も、自分の子供みたいな若者から、「くそババア」とか「老害」とか呼ばれることになります。侮蔑や憎悪に満ちた環境を自ら作り出すことに貢献し、現在の行きづらい社会をよりいっそう行きづらくしようとしているのですから、残念です(It's a shame!)。

他者を軽蔑したり、差別したりすることを理想とする社会を実現することが国民の総意として、日本国憲法にも書かれているのであれば話は別です。しかし、そんな社会を理想的だと思う人がどこにいるのでしょうか。どこにもいないはずです。

誰もが暮らしやすい社会を作ることが我々の責任です。その責任を放棄するその女子高生に未来はあるのでしょうか。彼女こそが、さらに下の世代の子どもたちにとって、いままさに「老害」そのものです。