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「カスタマー」の意味を知っていますか? [資格・学び]



弦楽器職人(Luthier)のDaniel Olsenさんの指導はとても役に立ちます。バイオリニスト(顧客)の弾き方の癖や彼らがよく弾く曲によって弦高も変える必要があるという話は面白かったです。

この動画の中で、Danielさんはcustomer(顧客)という単語を使っています。この単語はcustomを元にしているものです。customとは、その人やその地域などに合ったやり方のことであり、習慣や慣習と訳されます。複数形にすると「税関」や「関税」(tariffのほうがふつうですけど)になります。税関とは、輸入品に税金をかけて、その地域に合った値段にする場所ということですね。自分に合わせて作り変えることを意味するcustomizeという単語はよく知られています。また、中学か高校のときにbe accustomed to 〜(〜に慣れている)という熟語も覚えたでしょうが、ここにもcustomが含まれています。したがって、本来のcustomerの意味は、商品を購入して、自分の使用環境に合うように変えて使う人、つまりカスタマイズする人ということになります。

大量生産の汎用品を買っても、その後、自分で手を入れて使うというのが「カスタマー」です。買ったら買ったままで何も手を加えないという人は実は「カスタマー」と呼ばれるのに値しないのです。売る側から見れば、単に商品を買ってくれる人を顧客と呼びますが、しかし、売り手はその客に合うように商品を加工しなければいけないし、買い手も自分に合うように商品を作り変えることが想定されているわけです。customerという単語の意味を知れば、現代の日本人は、ものの売り方や買い方について反省すべきことが大いにあると気づくはずです。

余談になりますが、驚いたことに、アニメオタクに人気の「コスプレ(コスチュームプレイ)」に含まれているcostumeもcustomと同語源であることを、先おど知りました。その人に合った服、その文化に合わせてできた服という意味なのですね。

余談の余談ですが、Danielさんの話しに戻ります。彼の説明によると、弓の毛はアルコールで掃除してはいけないのだそうです。その話を聞く前に私はウェブの記事でアルコールで掃除するんだと書かれていたのを読んで掃除してしまいました。掃除をするなら、固形石鹸でやるのがよいとのことです。シャンプーやコンディショナーは使うと、柔らかくなりすぎるから良くないそうです。とはいえ、いまのところなんの問題もありません。弓に塗られているラッカーも溶けてはいません。