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達成感:『チコちゃんに叱られる!』を初めて見ました [コンピュータ・ネット・テレビ]

先週の土曜日、NHKの人気番組『チコちゃんに叱られる!』を初めて見ました。

番組は、チコちゃんが質問を投げかけ、ゲスト2人とレギュラーの岡村さんが答えるという形で進行します。その中の一つの質問が強く印象に残りました。

「なぜ幼児はシール(ステッカー)を貼りたがるのか?」

心理学の先生によると、答えは、ステッカー貼りによって比較的簡単に「達成感」が得られるからだそうです。なぜか、すとんと腑に落ちました。

幼児は手が自由に動かないので、何をするにももどかしい気持ちになります。しかし、ステッカーならば、比較的簡単に、台紙からぺろりと剥がして、なにかにペタッとくっつけることができます。そうすることにより、そのモノの印象を自らの手で変化させることができるのです。それが「達成感」です。

うちの次男も幼い頃に、ソファーの裏側にステッカーを1枚貼りつけ、それがいまだに残っています。本人はまったく記憶がないでしょうけど、「達成感」の記念にずっと残しておくつもりです。

それはさておき、人間は幼い頃から無意識に「達成感」を求めているということを知り、その上で、自分自身を振り返って、いまの自分がなぜこういう生活をしているのかという疑問の答えがはっきりしました。要するに、私は致命に至ってもなお幼児のままなです。

壊れているものを直したり、できなかったことができるようになると、それだけで私は幸福な気持ちになります。幸福というものはお金では得られないと実感しています。

何かが壊れたら、ポイッと捨ててしまって、お金を出してまた新しいものを買えばいいわけです。しかし、もしかしたら直して使えるかもしれないものを簡単に捨ててしまうと、罪悪感が残り、そのせいで幸福感が下がります。むしろ、もう救いようがない状態まで直し直し使い続けることのほうが満足度が高くなる気がします。また、自分で直せたときの達成感は幸福に直結します。人にもよるのかもしれませんが、私の場合はそうです。

ここ数年、楽器にはまっているのですが、これも達成感に深く関わっています。細かく説明するまでもないでしょうが、できなかったことができるようになるのですから、それだけで満足です。他人に聴かせて褒めてもらう必要はほとんど感じません。そうすれば承認欲求を満たせるかもしれませんが、それより自己満足に深く関わっています。

私もそうですが、山に登るのが好きな人は、基本的には達成感が得られるからなのだと思います。ちなみに、英語のachievementの由来は、chief (頂点)に達することです。そう考えると、甲子園で優勝を目指したり、世界ランキング一位を目指したりするのも、幼児のステッカー貼りの延長線上にあるわけです。

そんなことをチコちゃんに教えてもらい、あらためて「三つ子の魂百まで」は真実なんだと認識しました。いくら歳を重ねても、幼児のままで、何も変わらないのですね。

もし「達成感」を求めなくなったら、それが「大人」になった証拠なのかもしれません。しかし、それは人間としての終わりだと思います。


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