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弓の毛替え(rehair)は自分でできます [家・DIY・修理]

バイオリンの弓の毛替え(rehair)をし直しました。以前やったものは、私の不手際のせいで、毛が弓から外れてしまいました。原因は、毛をカットするときに、短くしすぎたためです。弓を張ったときに張力が高くなりすぎて、楔(wedge)がスポンと抜けてしまったのです。

その後、いろいろ調べて、楔が外れないようにするためには、松脂(rosin)を使って、摩擦係数を上げる必要があることを知りました。職人さんは、馬の毛は先端を糸で縛って松脂の粉を付けて、火で炙って溶かして固めるという方法を取るようですが、瞬間接着剤を使うのが手軽だと思います。その方が接着力が強く、毛がバラバラになることを防ぐことが出来ます。

今日、アリエクスプレスに注文しておいた馬の毛(145円×6本)がようやく届いたので、作業をしました。もともとついていた楔は外すときに壊れてしまったので、作り直しました。楽器職人は楔は南洋材で作っているそうですが、具体的にどんな木材を使っているのかわかりません。私はいくつかの種類を試してみたのですが、ヒノキが使いやすいと思いました。

楔は削り出すには彫刻刀が使いやすいです。しかし、私が持っているダイソーの彫刻刀は買ったときから刃先にバリが出ていて、切れ味が最悪でした。

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息子が2人もいるのですから、本当は家に彫刻刀が2セットあるはずなのですが、妻がどこかにしまったのか、捨ててしまったようで、見つかりませんでした。仕方がないので、100均の彫刻刀を砥石で研いだわけです。驚いたことに、研いだ後、粗悪なダイソー商品の品質とは思えないほどの切れ味になりました。

フロッグの方は写真に収めませんでしたが、きれいに出来ました。フロッグ側はティップ側に比べたら簡単です。

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一度張ってみたのですが、馬の毛が長すぎたようで、やり直しです。青い絹糸で縛った跡の2つありますが、瞬間接着剤が乾いた後、カットしました。(瞬間接着剤もダイソーで買ったものですが、瞬間接着剤なのに、乾燥するまで10分以上かかります。これもまたダイソー品質です!)

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こんな感じの臨時の台をこしらえました。木材は部屋に転がっていた端材です。弓を傷つけないようにするために敷いたゴムも何かの余り物です。それらをダイソーの便利バンドで巻いて固定しました。この台はちゃんと木材の長さを揃えて、ビス止めして、作ってしまっても良いかもしれません。

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バランスを考えて、バンドの位置をずらしました。

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穴の中にたっぷり松脂の粉(カッターの刃で削って作ります)をたっぷり入れて、楔を打ち込みます。その後、馬の毛にテンションを掛けて、ゆるい毛をカットして完成です。どう頑張っても、ゆるい毛は出てしまうので、数本カットするのは避けられないと思います。上手な楽器職人ならばそんな無駄な毛は出さないのかもしれませんが、素人にはそれでも十分です。

完成後、試し弾きをしてみましたが、楔が外れることはありませんでした。ちゃんと使えます。しばらく様子を見ないとわからないですが、これでうまくいったら、わざわざ楽器職人のところに持っていって、5000円支払って毛替してもらう必要はないですね。

楔を壊さずに再利用できれば、毛替えは30分でできると思います。もちろん手先の器用さとか、慣れの問題もありますが。

YouTubeの動画でバイオリンの演奏解説をしている人たちはみな口を揃えて、毛替えは半年から1年ごとに楽器職人のところに持っていってやってもらえと言います。彼らは子供の頃からバイオリンを習ってきた人たちでしょうから、自分でやるものではないと思い込んでいるのでしょう。確かに子供にはできないことだと思います。しかし、手先の器用な大人であれば、実際そんなに難しくもありません。面倒ではありますが、難易度は低いです。自分でできます。馬の毛は1セット145円です。楽器職人のところに持っていけば、5,000円です。差額は4,855円。そのお金で、2、3日は生活できますよ。


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