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日本を貧しくした犯人 [雑感・日記・趣味・カルチャー]

当たり前の話ですが、従業員は、人を人と思わない企業体には貢献したいとは思いません。右の頬を打たれたら、左の頬を差し出す(マタイ5:39)ようなキリスト教の精神を体現する人間はまれです。敵に塩を送るような殊勝で奇特な人間はまずいません。だからこそ上杉謙信は歴史の教科書に載っているのです。並の人間は、ふつうは「目には目を」の精神でやられたらやり返します。

資本主義における企業は、資本金を元手に利潤を上げていく運動体のことです。したがって、ものが高値で売れなければ、価格を下げ、その損失を補うためにその代わりに人件費を削り、薄利多売をするために従業員の休暇を減らし、少しでも利潤を増やそうとします。

しかし、その結果、労働者はやる気を失い、努力を惜しみ、組織の発展を阻害します。利益を増やそうとする不毛な努力のせいで企業の利益はますます減っていくわけです。

この状況を打開するために、企業はさらに人件費を削ろうとします。正社員を雇わず、非正規雇用者を採用し、彼らを奴隷のようにこき使います。非正規雇用者の仕事内容な正社員とほぼ同じですが、待遇は奴隷並です。

企業は国内の労働者の人件費が高ければ、安い外国人労働者を連れてきて、彼らに置き換えていきます。これからはAIを搭載したロボットが人間の労働者の代行をすることになっていくはずです。すると、これまで働いてきた従業員は、収入源を絶たれ、消費に回せるお金が減り、その企業の商品やサービスを利用できなくなります。そうして、企業はますます利益を下げていくわけです。

この悪循環の中で、数多くの企業が倒産しています。このような因果関係が「失われた30年」(デフレが進行する日本)の背景にあります。

馬鹿の一つ覚えのように民営化を唱えた単細胞の小泉純一郎元首相をそそのかして、この悪夢に我々を投げ込んだのが、現パソナグループ取締役会長を務める悪の総裁竹中平蔵です。この無慈悲な新自由主義者は、競争を是として、競争がなければ発展がないと訴えます。その考えは至極まっとうに思えるのですが、しかし、競争の結果、落ちこぼれたものは、踏み潰しても構わないと考えることには問題があります。

踏み潰された者も立派な消費者ですから、その消費者を失えば失うほど市場が小さくなり、企業がものやサービスを売る場所がなくなっていくわけです。企業の利潤を上げるためにしていることが、逆に利潤を減らすことになっているのです。

このように生産と消費の両輪のバランスを考えることが経済学的には重要なはずですが、竹中平蔵は、経済学者のくせに、そういうことすらわかっていないのです。

いや、彼はさすがに馬鹿ではないので、こんな単純な仕組みは十分承知なのでしょう。わかっていて、わざと見て見ぬ振りをしているのに違いありません。彼こそ日本を貧しくした犯人の一人です。

この悪循環を断ち切るには、どうすればいいのでしょうか。ベーシックインカムの導入も必要かもしれません。貧富の格差をなくす税制改革、労働者の保護、そして富裕層だけが儲かる仕組みである強欲金融資本主義を終焉させることも重要です。2年以内に来ると予想されている大きな金融危機の後は、すべてを根本から変える必要があると思います。いまからどうすべきは国民的に議論しておくべきでしょう。

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ヒース・レジャーが演じた純粋悪のジョーカーではなく、ホアキン・フェニックスをトリックスターとして見る「ジョーカー」論。私はこの映画をまだ見ていないのでなんとも言えないけれど、他人の物語として観客に消費させる換金装置としての映画ではなく、自分の物語として消化させることを意図した作品が作り続けられることを切に願います。

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警備が手薄になった地方の方が危ないかもしれませんよ。