前回取り上げた映画『いそしぎ』の監督もヴィンセント・ミネリでした。あっちは駄作中の駄作ですが、こっちは大傑作です。この映画を観るのは3度目です。

パリで暮らすアメリカ人の画家(ジーン・ケリー)が金持ちのパトロン(ニナ・フォック)に恋心を抱かれる一方、友人(ジョルジュ・ゲタリ)の恋人(レスリー・キャロン)と四角関係になるというお話です。ストーリーはどうでもいいのですが、ジーン・ケリーとレスリー・キャロンのダンス、ジョルジュ・ゲタリのテノール、オスカー・レヴァントのピアノ演奏が存分に楽しめます。それだけで十分です。オスカー・レヴァントは多彩な人らしく、本当にコンサートピアニストでありながら、コメディアンでもありました。

いささか時代を感じさせますが、1950年代のMGMの映画らしい特殊効果が至るところに使われており、それも楽しめます。残念ですが、こういう映画はもはや作られることはないでしょう。



ここで歌われているのは、ジョージ・ガーシュウィンの「アイ・ガット・リズム」。私が買ったチェロとバイオリンの楽譜集にも収録されています。難しくて弾けませんけどね。この作品で使われている曲はすべてガーシュウィンのものだそうです。



























この冒頭に出てくるジーン・ケリーの部屋はめっちゃ機能的で面白いです。