奇跡の丘 - Wikipedia

監督・脚本は詩人にして小説家でもあるピエル・パオロ・パゾリーニ。原題は「マタイによる福音書」。Wikiにある通り、「マタイによる福音書」に基づいて処女懐胎、イエスの誕生、イエスの洗礼、悪魔の誘惑、イエスの奇跡、最後の晩餐、ゲッセマネの祈り、ゴルゴダの丘、復活のエピソードが描かれている。

取り立てて特徴はないが、聖書を読んだことがない人や、字の読めない人たちなどに、紙芝居のようにわかりやすく伝える効果を狙った教育映画の様相を呈している。パゾリーニという名前だけで、芸術映画的なものを想像したが、的外れだったかもしれない。

しかしながら、細かく見ていけば、いろんな効果を狙っているのがわかる。映画だから当然のように登場人物たちは動いているのだが、なぜか静止しているように見えたり、バックグラウンドミュージックにアフリカ音楽っぽいものを使っていたり、手持ちカメラで撮影し、心が落ち着いているはずのところであえて手ブレさせる一方で、イエスの心が乱れているはずのところで固定カメラで撮影したり、また野次馬(衆愚)の後ろから覗き見するような撮影をしてドキュメンタリーっぽくしたり、地味に面白いテクニックを駆使している。









イエスが自分の体だとして12人の使徒たちに食べさせるパンは、クラッカーのような、畳鰯のようなあみあみになった板状のパンだ。



英語やドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語などユダヤ・キリスト教文化圏の言語では、右は権利をも表すが、その由来となったのはこれ。



聖母マリア。



兵士が脇腹を槍で突く場面は描かれていない。その傷と合わせてイエスには5つの傷がついているとされるエピソードもあるが、マタイ伝には描かれていなかったのかもしれない。



耳が痛い。



老眼ですから。



日本人もです。



年ですから。





「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」。イエスがこの言葉を発し、叫び声を一つ上げたあと、町が崩壊するというのは、「マタイによる福音書」にあったのかどうか覚えていない。





こういう洞窟がお墓だったのでしょうか。