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ありがとうを100万回聞かせてあるお菓子 [食べ物・料理]

私はお菓子をなるべく食べないように努力をしているのですが、目の前にあると、ついうっかり手が伸びてしまいます。

これは家にあったものです。妻が先日私に内緒でこっそり実家に帰省した折にもらってきたものかもしれません。老眼ではありますが、まだ入れ歯にはなっていない妻はこの手のお菓子は絶対に買わないタイプなので、自分で買ったという可能性は極めて低いと思われます。

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パッケージの裏をしげしげと見ていたら、面白いことが書いてあることに気づきました。

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「このお菓子にはありがとうを100万回聞かせてあります」とのこと。

そのことに、どういう効果があるのでしょうか。科学的にはその効果がまったく証明されていないことですから、エセ科学を堂々と宣伝文句に使うこと自体、知性や信頼性を疑われることですから、大きなメーカーではありえないことです。

また、「ありがとう」は人間がこのお菓子一パックに横にいて100万回発話したのものなのでしょうか。だとしたら、「ありがとう」を1秒間で発言できたとして、100万秒もかかっているわけです。これは何日かかるか計算してみましょう。

1日は24時間で、1時間は3,600秒ですから、86,400秒になります。

1,000,000秒÷86,400秒を計算すると、11.57日になります。つまり、ほぼ12日もの間、お菓子の横につきっきりで「ありがとう」と言ったとするならば、その人の時給が1000円だとして、24時間かける12日ですから、288,000円分もかかっているわけです。また、その従業員に12日も長い間一睡もさせずに「ありがとう」と言い続けさせるわけですから、完全なブラック企業であると言えます。労働基準法に抵触しています。

材料費以外に288,000円も余計にかかっているこのお菓子を数百円で販売しているとするなら、無駄なものに法外なコストを掛ける企業は、淘汰される可能性が高いと思われます。

もちろん、現実的には、1パックではなく、倉庫全体に保管されている商品にスピーカーを通して語りかけているはずですし、時間の節約のために「ありがとう」を超高速にして、人間には判別できないような音を聞かせている可能性もあります。ということは、そんなにたくさん「ありがとう」と言われてもお菓子の方も「ありがた迷惑」ではないかと思います。お菓子に不愉快な思いをさせているのなら、そのせいで味が悪くなるかもしれません。

いずれにせよ、このような馬鹿げたことをパッケージに書くような会社はどうかしています。さらに、ここまで無駄に計算して、無駄にこんな文章を書いている私も相当な阿呆です。

「このお菓子にはありがとうを100万回聞かせてあります」の1行の下には、このように書かれています。

大切なお客様とお時間を共にする時「ありがとう」を100万回聞かせたお菓子と一緒に楽しまれてはどうでしょうか。きっと会話がはずみますよ。


たしかに、会話がはずむこともあるかもしれませんが、私のように計算機を片手に考え込んでしまったり、エセ科学の問題についての討論に発展して、喧嘩分かれする可能性もあります。

製造メーカーのタケダ(愛知県犬山市)は、かなり危険な賭けに出ていると言って良いかもしれません。





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