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若いからといってデジタル・ネイティヴじゃないですよ! [コンピュータ・ネット・テレビ]

メディアに流布している通説に、「若い人はデジタル・ネイティヴだ」というものがあります。あれは大嘘です。

私が接している学生たちの中には幼い頃からパソコンやスマホをいじって育ってきた人もいるのかもしれません。しかしながら、実態は大きく異なっています。高校でも授業では少しは触ったことがあるのかもしれませんが、大学に入ってから初めてパソコンを買ってもらったような学生もいて、マウスを使わずにコピペをする方法すらわからない学生もいます。

仕方がないので、初回の授業では私がパソコンの先生になって、LMS(Learning Management System)の使い方を指導することがよくあります。その状態が数週間続いて、ようやくLMSを通じてまともにレポートを送れるようになるのです。ところが、今年は5月に入っても、いまだにWi-Fiがつながらないとか、Googleにログインできないとか、メールを受信できないとか、自分のメールアドレスを誤記入するとか、アポストロフィーをそれに似た記号に置き換えてしまうとかトラブルが続出し、Google Formsを使ったオンラインの小テストにもアクセスできず、仕方がないのでノートをビリビリとちぎってそこに殴り書きして提出するような学生がたくさんいます。Wi-Fiが使えない場合、タブレットやPCをスマホを使ってテザリングする方法もあるのですが、大多数はそれすらやろうとしません。できないから仕方がないと諦めてしまっているのです。

デジタル格差を感じるのは、男女の差はありません。率直に言って、偏差値の低い大学に多い傾向があるので、知性の問題なのかもしれません。(ここではその問題には深入りしません。)

世間では、若い人たちは生まれた時からパソコンがあるのだから、若ければ誰もが使えるはずだという偏見があります。それに対して、一部の若者は、オジサンはパソコンが使えない、エクセルも使えない、使い物にならない、と馬鹿にするのです。ところがどっこい、こっちとら、彼らが生まれるよりも10年近く前からパソコンを使っているのですよ。どっちが詳しいかなんて、火を見るより明らかです。

要するに、私が言いたいのは、若い人たちは一様にパソコンやスマホに詳しいというのは大嘘だということです。人には年齢に関わらず、得意不得意があるものです。年寄りでもプログラミングができる人もいますし、若い人でもスマホで電話をかけられない人すらいます。なんでも世代や年齢や性差で決めつけるのは間違っています。そういうことを言うと、「あなたはPC(Politically Correct)の人だから」なんて同僚に嫌味を言われるのですが、PCの何が悪いのか私にはわかりませんね。




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