忖度

池上彰がテレビ局の「忖度」の裏に安倍政権の圧力があることを明言！「テレビ局には連日、抗議と“電凸”が」｜LITERA／リテラ

大学の文系学部では、現政権の意向を「忖度」するような教師はほとんどいないので、授業中でも自分の信念にしたがって好き勝手なことを言っている。私の同僚の先生は、ゴリゴリの右翼で、ホロコーストも９１１もなかったとかいう陰謀論を朗々とまくし立て、正直言って辟易した経験がある。そういう方はかなり珍しい。

文系の場合、反自民の割合は６０％くらいで、残りの４０％は無関心か、政治的な信条を表に出さないという印象が強い。ところが理系となると、状況が全く違う。ほとんどが政治的な信条を表に出さないだけではなく、自民党への批判をする人はまったくいない。多額の補助金をもらわなければやっていけないところは、自民党の意向を積極的に「忖度」し、従属的な態度を取る傾向が極めて高い。彼らのようにクリティカル・シンキングを避ける人々が日本の将来を危うくしているのかもしれない。

「クリティカル・シンキング」というのは、ある一定の評価判断基準（クライテリア）にもとづいて、物事の成否を判断する思考のこと。民主主義を基本理念とする現代の学校教育の重要な役割は、その能力の育成にある。ところが、近頃の小中高は、そういう能力の育成を重んじないというより、それを避ける傾向が強いらしい。それも、現政権の意向を忖度しているものらしいので、愕然とする。