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できっこないを やらなくちゃ/ サンボマスター [音楽・楽器]



メディアや政府は、われわれを不安にさせておいて、大丈夫ですと言う。

そんなふうに恐怖と安堵を繰り返しているうちに、自分たちには結局何もできないんだ、と思考停止状態に陥っていたのが、東日本大震災と福島第一原発事故のあとの数ヶ月。そういう無力感に囚われれいたのは、何も私ばかりではないだろう。

事故後数年は、あのときを思い出すと目に涙が滲んだが、いまは、当時感じていた「手も足も出ないもどかしさ」を思い出し、無性に腹が立つ。

こういうことを言うと、お前は愚痴ばかり言っていると言う人もいるかもしれない。

そうして、愚痴さえも考えさせてもらえないように、我々は調教されていくのだ。

「ぶつくさ言わずに、俺の命令に従って働け。お前は、俺の手と足だ。口と頭は、俺の役目だ」と。

敗戦後、日本国民の大義となったのは、誰もが口と頭を備えた人間として、政治や社会に参加できる民主主義社会だったはず。

それがいつのまにか、「お前は専門外だ、黙れ!」という声が強くなった。

専門家は、ほんとうにすべてを知っているわけではないということすら考えもしない人が増え、専門家を名乗る人の意見はすべて正しい、と思い込まされている人ばかりになった。

原発事故の直後、雨後の筍のように原発の専門家がてんでんばらばらなことを言って、我々は何を信じたら良いのか、まったくわからなくなった。とりあえず、いまは何も考えないことにしよう。自分にできることだけをしよう。地震や津波や原発事故の被害に遭われた人たちのことを考え、為政者や東京電力には文句を言わないようにしようと、私自身も当時は考えていた。その態度は間違いだったのかもしれない。



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