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「失われた30年」 [雑感・日記・趣味・カルチャー]

景気変調、安倍政権に逆風も=消費増税への影響焦点(時事通信)のコメント一覧 - Yahoo!ニュース

めずらしくヤフーのコメント欄がアベノミクス擁護派の幼稚なコメントで荒れていない。まともなことしか書かれていないのでびっくりする。

おそらく、日本も、これから「景気後退」という現実を本格的に実感する人たちが増えてくるはずだ。世界経済(南米、ヨーロッパ、イギリス、中国)は予想をはるかに超えた大きな問題を抱えているのだから。

日本も、大企業が続々と業績予想を下方修正したり、赤字を発表したりしてきている。外国人投資家が、そんな企業の株を買うわけがないので、株はどんどん売られ、日経平均が下ることは避けられない。一説によると、景気後退局面では平均24%の株価下落があるそうで、そうなると日経平均は17000円台まで下がるという計算だ。さもありなん。

日銀が、我々年金資金を使って日本株を買いまくって株価に下駄を履かせている5000円分を差し引けば、12,000円台になってしまう。悪夢の麻生政権を思い出してしまう。

これまで銀行は長期金利と短期金利の差で利潤を上げて経営してきたが、それが日銀の金利政策でできなくなってしまった。銀行の本来の機能である企業への貸付も滞っている。企業は内部留保があるので、わざわざ借りなくてもいいのだ。貸したくても借りてくれる企業がないので、銀行は個人客相手にサラ金を始めたり、投資信託を売り出しているが、個人相手では儲けは少ない。無駄な経費をかけないために、ATMも銀行の支店も減らしているほどだ。手数料を上げているが、それも焼け石に水。金融庁も、銀行のあくどい商法を規制してきているので、いまは利率の高いアメリカのドルを買ってサヴァイヴしているのだそうだ。そのせいで、日本からアメリカに大量の金が流れ、ドル高円安が維持されているわけだ。円安なのに株安というのは、そういうからくりがあるのだという。

アメリカは膨大な貿易赤字を抱えており、トランプ大統領はなんとかしてそれを減らそうと考えている。覇権国を続ける限り、アメリカの財政赤字は構造的に解消できないことは明白なので、残された手段としては、輸入品に関税をかける以外は、為替の操作をするしかない。ドル安に誘導してしまえば、外国からの借金は大きく減る。なんの努力もせす、借金を減らせるのである。楽なものだ。いま、トランプはそれを画策しているという。彼ならやりかねない。

円高になれば、ドルを大量に買っている日本の銀行は損失を出しまくり、破綻するところが出てくるだろう。

もちろん、輸出を主とする大企業の株価も利益が減り、それに連動している日経平均株価も下落する。

従業員側に目を向けてみる。企業の内部留保は、従業員の賃金を削って貯めたものだから、従業員もお金を使えない。社会保障や税金の負担も年々増しているし、物価も上がってきている。可処分所得は減る一方だ。我が家など、国内旅行すら行けない状態にまで落ちぶれている。

旅行といえば、これまで閑古鳥が鳴いていた観光地に外国人観光客が溢れかえっている。国内旅行をしているのに、外国に来たかのようになっている。日本らしい風情を感じられないので、日本人もそういうところには寄り付かなくなってきている。

外国人観光客が日本に溢れている理由は、明白である。安倍総理が考えているように、日本の魅力が世界に知られたからというのではないし、東京オリンピックがあるからというわけでもない。東京オリンピックがあるから来ているというのであれば、東京オリンピックのときに来るはずだ。その考えには論理的整合性がない。彼らが日本に来る理由は単純明快だ。日本が貧乏になったからだ。日本は安く観光ができる国になったのである。1980年代、プラザ合意によって円が高くなった後、バブル経済に突入し、金余りのニッポン人は外国旅行を散々楽しんだ。外国に行くと、なんでも安いと思えたあの感覚である。それと同じ感覚で、外国人が日本を楽しんでいるのである。貧乏になったことを喜ばしいことと捉えるのは現状認識が完全に間違っている。

企業に話を戻す。中小企業も人員を確保できないため、労働環境はたしかに売り手市場であるけれども、景気が改善したからではない。単に、団塊の世代の大量退職と、少子化のためである。

当然だが、、従業員が集められない企業は経営ができなくなって倒産する。実際に、データによると、倒産件数が増えつつあるという。その原因は業績悪化だそうだ。従業員がいないとは言われていないが、その2つは確実に連動している。街を歩けば、どこもかしこもアルバイト・パート募集の張り紙だらけだ。安倍総理は、町中や田舎の商店街などを歩くこともないので、現実の認識が完全に間違っている。金持ちが見ている世界と、我々貧乏人の見ている世界はまるで違うのは当たり前だ。だが、金持ちはきちんと庶民の世界におりてきて、現実を知る努力が必要だ。それをしていないからこそ、いまのニッポンがこんなにひどい状態になっているのである。

企業も企業とて、せっかく集まってくれた従業員の賃金を増やすことができない。いつ倒産の危険にさらされるかわからないので、自己資本比率を高くしておかねばならない。そこで内部留保が積み上がる。そのお金は設備投資に回せないので、単に豚積みになっているだけ。有効活用されないのだ。

そうして、全体として、日本企業はろくなものを作れず、ソニーもシャープもパナソニックも没落していった。スマホを例に取ってみると、今後、飛ぶ鳥を落とす勢いのHUAWEIが世界を制覇するだろう。iPhoneは生き残るのかもしれないが、あんなものを買うのは金持ちか見栄っ張りだけである。私は断然HUAWEI派だ。この戦いに、貧乏な日本は入り込む余地がない。AppleやHUAWEIの部品屋でしかないのだ。

この30年もの間、こんな悪循環が続いてきたわけで、これが正しい現状認識だろう。まさに「失われた30年」である。

「失われた」で思い出したが、我々の年金もアベノミクスで失われることになる。韓国だったら、安倍総理は死刑になるはずだ。憲法を改正して、首相が国家に大きな損害を与えた場合、絞首刑にしても良いすべきではないか。さもないと誰も責任を取らない状態がこれから先ずっと続くことになるのだよ。


「不良品を返品したい」非正規雇用で貧困に苦しむ中年フリーターたち(Wedge) - Yahoo!ニュース

非正規雇用の従業員というのは、会社にとって、税制上、文房具のような会社の備品と同じ扱いになります。つまり、モノです。すごいことだと思いませんか。人間をモノ扱いすることが、認められているんですよ、この時代の日本で。どこが先進国なんでしょう。貧しい国だと思いませんか。

そうして、人間を奴隷のように扱ってきたツケを、社会全体で負担するのです。もちろん、後の世代の人々も。そういう社会にしたのは、自民党なんですよ。