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レベルの高い学生が全然いない? [雑感・日記・趣味・カルチャー]

就活解禁でも「レベルの高い学生が全然いない」 ある大手企業人事部のため息(文春オンライン) - Yahoo!ニュース

本当かどうかわからないが、就職を希望する学生のレベルの低下が著しいらしい。

大不況でいくつもの会社からお祈りメールが届いて悩み苦しんでいた頃の学生は、たしかに授業にもよく出席し、授業中に質問もよくしてくれたし、授業後も教室外で話しかけてくれたりてけっこう仲良くなったものだ。しかし、ここ数年の学生たちは、遅刻も多いし、ぼーっと何も考えていなように見える。勉強もできない。教員とコミュニケーションを取ろうという学生も減っている気がする。その理由は就職市場が「売り手市場」であるということもあるのかもしれない。

学生たちにエッセイを書いてもらうと、だいたいお金の話とか、何々は〇〇に役に立つとか、そういう打算的な話か、もしくは、環境を大切にしようとか、子供のうちに英語は習わなければいけないとか、しょうもないことしか言わないのだ。「なぜ?」という疑問符すら彼らの辞書にはないらしい。彼らは誰でも言いそうなことを、誰でも言うような言い方でしか言えないのである。自分の頭で考え、自分の体で経験したことを、自分の言葉に翻訳して伝えるという姿勢が見られないのだ。テレビのコメンテーターみたいにレベルが低い。

もし私が人事課の採用担当であったら、まずどこでもいいから「一人旅」に出かけたことがある者を選別する。そして、英語ができようができまいが関係なく、どんな体験をし、どんなことを学んだかを話してもらう。そして、話が面白ければ、採用の候補者に入れる。独立心があるかどうかが重要なので、「一人旅」でなければならない。

次に、ひとまず学歴は脇に置いておいて、その人の話の組み立て方を分析する。論理的思考や科学的思考ができているかとか、ものごとの語り方を本能的に心得ているかを見極める。情理を尽くして、語りかけるという姿勢が見えるかを見る。政治信条は関係がない。たんなる差別主義者の「ネトウヨ」は論外であるが、保守的であれ、リベラルであれ、そこは問題にしない。

また、昔の体育会系の学生のように、上の者に媚びへつらうような封建主義に洗脳されているものは不採用である。どうせ自分の頭で考えないマニュアル人間になるのが落ちだからである。そのうち、馬鹿の一つ覚えのように、コンプライアンスだとかハラスメントだとか偉そうなことを言い出したり、部下ができれば、部下に親分風を吹かしたりするのだろう。そういう奴らは気分が悪い。大嫌いである。

自分の頭で考え、自分の体を使って体験し、何かを学び取り、それを伝えられるという、学習能力とコミュニケーション能力が高い人物を私ならば採用したい。簡単に言うと、採用基準は、いっしょにいると楽しいし、勉強になる人だ。そういう人と一緒に働きたいなあと思わせてくれるような人物である。そいつとは友達になれるかどうかが重要だ。好奇心や探究心が旺盛であり、知識欲があることも重要だ。発想が貧困な人間は、どうせろくな奴ではない。

会社のホームページに書かれていることを読んで、ある程度どんな会社なのかをは理解していることは重要だが、大事なことはそんなところには書かれていないのがふつうなので、受験勉強のようなことをしている奴は信用できない。

最近の学生にはろくでもない奴しかいないというのなら、もっと上の世代の人間を採用すればいいだけのこと。世の中には、非正規雇用でしか働けていないけれども、本当は優秀な人達が大勢いるのに、なぜ彼らを雇うことすら思いもつかないのか。そもそも見る目のない企業側の人間たちのほうが、いまの学生たちよりもはるかに馬鹿なんじゃないかと思う。そういう企業が没落していくことは間違いない。学生たちも、そんなクソみたいな企業には就職しないほうが安全だ。