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喫煙問題 [雑感・日記・趣味・カルチャー]

すかいらーくやサイゼリヤが相次いで禁煙化 飲食店でタバコを吸うのが全く好ましくない3つの理由(東龍) - 個人 - Yahoo!ニュース

非喫煙者は、タバコの煙を嗅ぐと、居心地が悪くなり、飯もまずくなります。たとえば、蕎麦屋に行って、鰹節の匂いに食欲をそそられている間に、かたわらで食事を終えたサラリーマンがタバコを吸い始めたとします。すると、とたんに食欲が減退し、息苦しい店を後にしたくなります。外の空気が、PM2.5
や放射線、排気ガス、花粉、インフルエンザウィルスで汚れた空気であっても、タバコの臭いのない空気のありがたさを感じるのです。

40年くらい前、NHKで『ウルトラアイ』という科学番組を放送していました。『ためしてガッテン』の前身のようなものです。子供の頃に好きでよく見ていたのですが、その番組の中で、面白い実験をしていました。とある寿司屋の頑固親父は客に絶対に店内でタバコを吸わせない主義で、その理由を聞くと、寿司ネタが悪くなるからというのです。その仮説を検証するために、番組では刺し身にタバコの煙を吹きかける実験を行います。当時としては高性能だった顕微鏡を使って覗くと、細胞壁がぐちゃぐちゃに破壊されていたのです。

子供の私はその映像を見て、大いにショックを受けました。刺し身のむき出しの細胞が破壊されるのですから、食べる側の嗅覚を司る細胞組織も破壊され、食事を五感で味わえなくなるのも当然でしょう。それにしても、寿司屋で、煙草を吸うなんて、いまでは非常識極まりない行為ですが、40年くらい前は許されていたのですよね。サラリーマンが職場でタバコを吸いながら仕事をするのも当たり前の時代だったなんて、いまの若い人には信じられないでしょうね。

タバコを吸いたい人は、喫煙できる場所が減ってきていることを不満に思っているようですが、私のような非喫煙者は、タバコの不快な煙を嗅がなくて良いので、徐々にですが、安心して暮らせるようになってきています。

喫煙者は、タバコによる健康被害は認めるが、ストレスを緩和する効果は認めてほしいと我々に要求します。しかし、彼らがストレスを緩和する行為が、非喫煙者のストレスを増加させることも忘れないでほしいです。

武田邦彦先生は、さかんにYouTubeで、小池都知事の政策を非難し、悪魔のような全体主義だ、自分が正しいと思っていることを他人に押し付けようとすると主張されてますが、ストレスを緩和するためだったら、タバコ以外の方法で、他人に迷惑をかけないものもあると思います。そちらを利用されたらどうでしょうかね。

基本的に、喫煙は文明人の行う行為ではないでしょう。あれはアメリカの原住民が始めたものです。主人が客人を仲間として迎え入れるために、空気に色を付けて、同じ空気を吸っている、同じ空間を分かち合っていることを示すための儀式だったのです。ところが、そのタバコの葉に含まれるニコチンなどの物質には依存性があって、現代人の中には、いまだにそれに頼っている人もいるわけです。

いまの喫煙は、そんなふうに、他者との障壁を取り除くためというより、他者をいぶして追い払うために使っているように思われます。少なくとも、非喫煙者である私はそう感じています。