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オンライン授業の3タイプ [資格・学び]

学校で「オンライン授業」が始まるもトラブル報告相次ぐ--Classiはアクセス集中でエラーに(CNET Japan) - Yahoo!ニュース

オンライン授業の方法としてはいくつかあります。

1.オンライン会議ソフト(ZoomやWebexなど)を使って、リアルタイムで双方向の授業をするタイプ。教師は、教室または自宅から授業をする

2.教員が予め作成した動画を学校のポータルサイトやYouTubeなどにアップロードし、それを生徒や学生が視聴するタイプ

3.学校のポータルサイトを経由して課題を出して、生徒や学生が自習をして、課題を提出するタイプ

学校関係者以外の人たちの多くは、1番と2番がふつうだと思っているのかもしれませんが、いずれも推奨されていません。リアルタイムの双方向の授業では、同時アクセスをするので回線スピードが悪化して、授業が成立しなくなる危険性が高いからです。これまでオンライン授業に関するニュース記事をチェックしてきましたが、その失敗例が多いようです。

また、多くの大学では、YouTubeに動画を上げることを推奨していません。理由はわかりません。このオンデマンド形式の授業をするのならば、大学のサーバーにファイルをアップロードすることになりますが、サーバーの容量の問題や、学生側の通信環境の問題があるので、小さいファイルしか上げられません。

おそらく、多くの教員は3番目の課題提出型を採用しているはずです。私も大部分の授業を課題提出型でやっています(まだ始まっていないクラスもありますが)。しかし、膨大な課題のチェックに追われるので、仕事の量は増えます。動画を作成するのも同じくらい時間がかかるでしょうから、負担は同じです。

誰もが思っていると思いますが、対面授業のほうが楽だし、教えていて楽しいので、コロナが収束したら、オンライン授業なんかアホらしくてやっていられません。

以上の3つとは別に面白い形式のものがあります。予め教員がパワーポイントで作成した音声付きスライドを学生が大学のポータルサイトからダウンロードしておき、それを授業時間になったら視聴開始し、質問があれば、チャット機能を使って、その場でやり取りをするのです。文字ベースのチャットだけなので、サーバーがパンクするようなことはなさそうです。教員は授業時間中、PCの前に貼り付いていなければいけないので面倒ですけど、自習ができないほど低学力の生徒や学生には向いていると思います。簡単なテストもオンラインで受けられます。これは文字ベースのアンケートみたいなものだからサーバーには大きな負担はかかりません。

学校教育に不満を持つ世の中の多くの人たちは、オンライン授業なんて簡単にできると思っているのかもしれません。自分でやってみればわかると思いますが、口でいうほど簡単ではないのです。語学の授業に関しては特にそうです。放送大学の外国語の授業や、NHKの語学講座を見ればわかりますが、あのような一方通行の授業では何も身につきません。視聴者は自分では何もしなくて済むんですからね。

学校で行われているような授業をそのままオンラインで実現するには、まだまだ環境が整っていません。だからこそ、トラブルが多発しているのです。教員も学生や生徒もサポートスタッフもみな混乱し、ストレスを抱えています。

とはいえ、「9月入学」にしてしまえ、という乱暴な議論には付き合うことはできません。我々のこれまでの苦労が水の泡になります。9月から新学期にするのなら、現役生の学習意欲も教員やスタッフのやる気がが完全に失われてしまいますからね。利害関係のない人は好き勝手なことを言っています。現場感覚がないから、そういう乱暴なことが言えるのでしょう。美容整形外科医の高須なんとかさんは、教育の専門家たちが、9月入学には問題が多いと指摘したことを受け、「船頭多くして船山に登る。お前らは黙っておけ」みたいなことをツイートしたそうです。「お前も船頭の一人だろう。お前も黙っておけ」って感じですね。

大人は勝手にグローバル化に対応するためだと「おためごかし」なことを言いますが、グローバル化の意味がわかっていないんじゃないですかね。9月に入学式を行えば、グローバル化できるというのは妄想です。大事なのは、形ではなく、中身です。美容整形外科の院長にはわからないでしょうけどね。





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