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息子の進路:理系か文系か [資格・学び]

「文系・理系」どっちがいい? 将来 “稼げる” のはやっぱり○○だけど……。

日本人は、「アート」と聞くと、音楽や美術のような芸術をイメージしてしまうかもしれませんが、歴史や地理、文学もアートに含まれます。広く「人間がつくったもの」と解釈できるでしょう。これに対して、「サイエンス」とは「神がつくったもの」すなわち、現実世界にある、人間以外が作ったもの全てを対象に学び、研究することを指しています。


Scienceは「知ること」という意味です。consciousは意識しているという形容詞ですが、そこにsciが含まれていることからもわかるとおり、同語源です。何を知ることなのかといったら、当然、究極的にはこの世界の起源です。神がこの世界をどう作ったのかを研究することがScienceです。

Artは芸術と言う訳し方がされますが、人間の技、人間が使う術のことです。Martial Artsといえば、武術、戦いの技術です。Artificalは人工的と訳されますが、その中にもArtが含まれています。

西洋でのこういう分類方法を日本人はまったく理解していませんので、数字を使うと理系、数字を使わないと文系という乱暴な分類をしてしまいます。もうそんな時代ではないんですけどね。

西洋では、心理学(Phychology)は神が作った人間についての学問なのでBS(Bachelor of Science)に属しますが、日本だとBA(Bachelor of Arts)に分類されます。不思議ですね。一方、経済(economy)は家計をどう切り盛りするかという人間の活動ですから、経済学(Economics)はBAであることはわかりますが、数学を駆使するので、理系的な側面も強いです。長男が専攻している生物学(Biology)は、理系に分類されていますが、覚えることが膨大にあるので文系的な要素が強いと言われることもあります。ことほどさように、理系と文系の境目はあいまいですね。

次男は高校1年なのですが、学校でそろそろ進路を決めることを迫られているようで、とりあえず心理学科に進みたいと答えているそうです。私が心理学は面白いと思うよとか、あれはなんとかバイアスに基づく発言だよ、などとふだんから言っているので、その影響でしょう。

息子がどこに進もうとかまわないですが、大学で学ぶことは、小中高校で教わるようなすでに知られていることを覚えることと同義ではないことは理解してもらおうと、昨日、ブックオフに向かう途中のクルマの中で話をしておきました。大学は基本的に、世の中は自分たちが思っているほど単純ではないよ、パターン化できるもんじゃないよ、ということを学び、かつ基本的なものの学び方や研究方法、論証の仕方(正しい結論の導き方)を学ぶところです。しかも、大学での専門性の高い研究は今現在何の役に立つのかわからないことばかりです。1万発中1発当たるかもしれないと期待して、無駄な研究に励むところです。もしそれが当たれば、人類にとって大きな進歩になるわけです。専門性の高い技術を効率よく身につけたいなら、専門学校に行って、マニュアルを覚えればいいのです。大学とはそういうところですが、世の中の99.9%の人は大学を出ても、そんな基本的なことすら理解していません。

進学関連の情報をウェブで検索すると、ヤフーの知恵袋がヒットしました。その中で訳知り顔のオジサンが、首都圏では東大、早稲田・慶応、理科大、東工大あたりに進まないと意味がない。他は行っても無駄。偏差値の高いところでは高度な内容の授業が受けられる、就職のしやすさを考えたら、学部なんかどうでもいい、大学名だけで選べとアドバイスしていました。学問の中身よりも学歴という薄っぺらいブランド価値を重視するような考え方がいまだに支配的だとしたら、日本はクソみたいな後進国から抜け出せないことは明確です。世界の下請けに甘んじるのは仕方がありません。日本に明るい未来はないのは誰にも否定できません。

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これって、現在の日本?



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