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フーコー、レヴィ=ストロース、サイード、鈴木大拙、今西錦司 [資格・学び]



この動画で取り上げられている人たちは私が若い頃にがっつり影響を受けた人たちです。

「境界線」が曖昧だった時代から、恣意的に境界線が構築され、再び曖昧になっていく時代を我々は生きているます。この動画を見れば、それが明確にわかると思います。

エドワード・サイードが指摘している通り、東洋と西洋もリアルなものではなく、東洋というものは西洋人から見た幻想ですし、それを内在化させている東洋人も多いのですが、結局はいずれも人類です。西洋人が東洋人を支配するために都合よく使われた言説に敏感になるべきという知見を私たちは心に刻まなければいけません。

クロード・レヴィ=ストロースも構造主義によって、人類には優劣の違いはなく、世界の分節の仕方が違うだけだと指摘しています。今西錦司は、棲み分け理論という独自の進化論を唱えましたが、それはダーウィン的な生存競争をベースにした進化論とは全く異なる視点です。競争を前提にした考え方が支配していた時代をひっくり返しました。

彼らのような優秀な知識人たちの努力の結果、物事を垂直ではなく水平に捉えるというパラダイムシフトが発生したのです。この思想を背景とした環境は民主主義やアカデミズムと相性のよいものです。一方でいまだにこのパラダイムシフトを認めない反知性主義的な人たちがいます。彼らのような視野の極端に狭い人々と我々はうまく棲み分けることができるかどうか疑問です。



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