モノより思い出って？

昔の日産のセレナのCMじゃないけど、「モノより思い出」のほうが大切だと思っている人がいます。そういう人に突っ込んで話を聞くと、モノはあの世に持っていけないからと、江戸時代の長屋の住人のようなことを言います。

大阪大学のある行動経済学者が言っていたことですが、旅行のような思い出は一生思い出して楽しめるからお得なんだそうです。そのときはそうなのかもしれないと思ったのですが、あとで考えたら、納得できなくなりました。良い思い出なら結構ですが、旅行先でひどい経験でもしたら、思い出すたびに不愉快になってしまうかもしれません。旅先で、恋人や配偶者と喧嘩をするなんてよくあることではないですか。

私の友人に旅行好きがいます。今年の春休みは3回も国内旅行にでかけたそうです。もちろん宿泊の旅行です。彼は持ち物にはこだわりがありますが、エコロジストなので車は所有していません。そういうものには興味がないそうです。そのぶん旅行や食べ物、お酒、付き合いにお金をかけています。

別の友人は、同様に車には興味はなく、ひたすらジャズのライブを聴きに行ったり、芝居を見たりすることにお金を使っています。私はそういうものにお金を使うなら、楽器やクルマにお金を使いたいですね。

表題の件に戻りますが、私は「モノより思い出」派の人間ではありません。とはいえ、「思い出よりモノ」派でもありません。どちらも同様に興味はありますし、同様に興味がないという感じです。

思い出はあの世に持っていけるけど、モノは持っていけないとは言いますが、死んだら無になると思うので、思い出だって持っていけるとは限りませんよ。だから、現世を楽しむためには、モノも思い出も均等に大切にした方がいい気がします。