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【ベストセラー】「二度とこれに時間を使うな!!人生で絶対に捨てるべき超ムダな時間トップ5」を世界一わかりやすく要約してみた【本要約】 [雑感・日記・趣味・カルチャー]



お金と時間のどっちが大切か、という二項対立でものを考えるのは間違いです。二項対立で物事を説明しようとする人がいた場合は、必ず座標軸を作って4つのカテゴリーで考えるという対案を出すと、多くの二項対立が詐欺的な論法であることがわかります。

お金がある人は時間もある場合もあります。そもそもお金を作るには時間が必要ですし、お金があれば時間が作れることもあるのです。家事全般をメイドさんを雇ってやってもらえば、家事や買い物に費やす時間を自分の時間に使えるのですからね。


苦手なことを克服しようとする努力は無駄だと言いますが、その考え方も狭いです。得意不得意は遺伝子で決まっているのですから、時間を使ってある程度できるようになっても、資本主義社会ではお金を生み出せない。だから、そんなものに使う時間は無駄だとおっしゃいますが、そういう考えも浅はかですね。私自身、これまで苦手なものを克服するチャレンジに取り組んできました。それがお金を生み出す装置になったかと言われたら、まったくなっていませんが、結果、退屈な時間を充実したものになりました。


人間はコンフォートゾーンの外側に出ないと自己成長はできないと言われます。苦手なものを克服することはまさにそれです。得意なことばかりやっていると、だんだん視野が狭くなるし、一つのことしかできない、一つのことしか興味のない、好奇心のないつまらない人間と見做されるようになり、残念ながら、早晩、誰からも相手にされなくなるでしょう。

また、得意なものだからお金を生み出せるわけでもありません。私は英語の教員ですが、英語を教えるのが得意というわけではありません。英語を教えることも好きではありませんし、英語が好きなわけでもありません。得意なものは英文学を読んで、解説することです。そっちはいくら努力してもお金になりません。多くの人がやりたがらないこと、英語を教えることもその典型ですが、そういうものをやるしかお金を稼げないのです。人前で話すのだって、苦手でした。最初から得意だったわけではありません。いま教員をやっているのは、苦手を克服した結果です。正しくは、克服した結果というより、克服せざるを得なかった結果です。



物を探す時間というのは、たいていは無駄かもしれません。買い物に行く時間と同じくらい無駄なのでしょう。しかし、それをすると脳が活性化されるというのもあると思います。時間をかけて目的物を見つけ出すことができると幸せホルモンの一つであるエンドルフィンが出ます。そういう探す行為に楽しみを見出している人をターゲットにするビジネスがドンキホーテです。レイアウトがメチャクチャなので、買い物客は目当ての商品がどこに置かれているのかわからず、ぐるぐると周回して探しているうちに、おもしろいものや、買おうと思っていたけど忘れていた物を見つけてしまい、結果、買い物の金額が増えてしまうという仕掛けです。人間の心理を巧みに利用したビジネスです。

探すことは面倒だという人ばかりではなく、それが楽しいという人もいるのです。なんでもきれいに整理整頓すればいいわけではありません。偶然の発見があると、人間は幸福感を味わうことができます。なんでも一瞬で目的のものを手に入れられるようになったら、時間はできるでしょうけど、暇すぎて退屈してしまいます。それでいいのでしょうかね。探し物をしないように工夫するのは問題解決能力を高める行為ですが、ものを見つける能力は低下すると思います。ものを探し出す能力は問題解決能力の一部ですから、結果、問題解決能力が劣化すると思います。


こういう本を真に受けて、自分の家族や部下や学生に、この価値観を押し付けようとする人がいたとしたら、「老害」として扱われることをよく理解しておいた方がいいと思います。このタイプの通俗的な行動経済学の考え方というのは、もはや古い(劣化した)価値観に思えます。

















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