SSブログ

「楽して儲けるのは悪」と思い込んでいる人の盲点 苦労の少ない成功は、物語になりづらいだけ [雑感・日記・趣味・カルチャー]

「楽して儲けるのは悪」と思い込んでいる人の盲点  苦労の少ない成功は、物語になりづらいだけ

グレッグ・マキューン氏のおっしゃる通りです。

実は物語には2タイプあるのですが、現在はアメリカ的な物語というか、ディズニー&ハリウッド的な物語が現在の主流になっています。すでに日本人の多くがその物語にすっかり洗脳されています。頑張れば報われるとか、乗り越えるべき困難を克服したときに人は成長できるという物語です。主人公に成長がないものは物語としては認めないかのような風潮になっています。ビジネス書や自己啓発本系と相性が良いのはわかりますが、そちらの物語しか存在していないと考えるのは、あまりに視野が狭いと思います。

アメリカという国は歴史の浅い実験国家であり、かつては旧大陸のような階級社会ではありませんでした。したがって、ヨーロッパとは違って努力がそれなりに報われる社会でした。そのなかでレバレッジをかけて儲けを最大化するというのがアメリカンドリームですが、そんなものは宝くじで1億円が当たるくらいほとんどないことです。だからこそ、多くの人が憧れる物語になるわけで、実際にはそんな幸運はふつうの人には訪れません。普通の人は夢なんか見ている場合ではないのです。コツコツと自分の体力と時間を切り売りしてお金に換えてサバイヴしていかなければならないのです。

そういう二つの背景が混ぜ合わさってあるゆえに、苦労することは正しいことだし、苦労は報われなければいけないという思い込みにとらわれ、逆に、楽をすること、省力化すること、エネルギーを節約することは悪とみなされるのです。

実は、手抜きをすることは、頭を使う知性的な行為なのです。やみくもに頑張るのは時間と体力の無駄です。生産性を高めるには、工夫をしてどんどん手を抜く方法を考案し、実験しなければいけません。

日本の湿度の高い風土では根性論が重要とされてきましたが、根性でなんとかなるなら、誰だってオリンピック選手になれます。思いが強ければ願いは叶うなんて、ディズニーの世界だけです。ゴールドメダリストの中には、堂々とそういうことを言う人がいますが、自分以外の人間は、思いが弱かった、努力が足りなかったと言っていることに気づかないのですから、非知性的ですし、他人に対して失礼極まりありません。

雑駁な言い方ですが、楽をするということは、視野を広げるということです。そのへんがわからない人は、オジサンは仕事をしないとか言って馬鹿にするんでしょう。馬鹿なのは彼らのほうです。手抜きをしないオジサンは、まだオジサンに成長していないのです。





共通テーマ:日記・雑感