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【簿記2級 商業簿記】2023年度版テキストP410 連結会計③連結第2年度の仕訳の動画解説 [簿記]



連結第2年度の連結会計の問題です。

開始仕訳は連結第1年度と同じです。ここでは使って良い勘定科目の中に「(期首)」が含まれていないので、そのままにします。X1年3月31日の貸借対照表のS社の数字を使います。投資と資本の相殺消去をするので、S社株式は左に仕訳し、純資産の項目は左に仕訳します。左に差額が出るので、「のれん」とします。

資本金 100,000     / S社株式 130,000
資本剰余金 30,000     非支配株主持分 80,000
利益剰余金 70,000
のれん 10,000

次に、「のれんの償却」を行います。

のれん償却 1,000 / のれん 1,000

のれんは10,000で、償却期間は10年なので、1年分は1,000ということです。

次に、「子会社の当期純利益の振り替え」を行います。

非支配株主に帰属する当期純利益 12,000 / 非支配株主持分 12,000

非支配株主持分は40%ですから、S社の当期純利益30,000の40%は12,000です。

次に、「子会社の配当金の修正」を行います。

受取配当金 6,000    / 利益剰余金 10,000
非支配株主持分 4,000

S社の配当金は10,000です。これは利益剰余金から出るので、右に利益剰余金と書きます。受取配当金の 6,000は親会社の取り分(60%)ですが、それを消去します。合わせて、非支配株主持分4,000も取り消します。

次に費用と収益の科目を「利益剰余金」に振り替えます。費用と収益の科目損益計算をして、当期の利益を算出するのに使われて、当期のうちに消えてしまい、翌期に引き継がれません。これを利益剰余金に振り替えることで翌期に引き継ぐという考えのようです。

利益剰余金に振り替えるのは以下の3つです。

「のれん償却 1,000」
「非支配株主に帰属する当期純利益 12,000」
「受取配当金 6,000」

ここまで仕訳の中で同じ勘定科目をひとつにまとめます。

利益剰余金 70,000+左にある「のれん償却 1,000」+「非支配株主に帰属する当期純利益 12,000」+「受取配当金 6,000」ー「利益剰余金 10,000」=79,000

これを書き直すと以下のようになります。

資本金 100,000     / S社株式 130,000
資本剰余金 30,000     非支配株主持分 80,000
利益剰余金 79,000
のれん 10,000

これがX2年度の開始仕訳になります。

次に、「のれんの償却」を前期と同様に行います。

のれん償却 1,000 / のれん 1,000

次は、「子会社の当期純利益の振り替え」を行います。

[資料 IV] に記載されているS社の当期純利益40,000を使います。非支配株主持分は40%でしたから、160,00になります。

非支配株主に帰属する当期純利益 16,000 / 非支配株主持分 16,000


次に、「子会社の配当金の修正」を行います。[資料 IV] に記載されているS社の配当金は20,000。P社の受け取り割合は60%でしたから、12,000です。利益剰余金は20,000ですから、非支配株主持分は8,000です。


受取配当金 12,000    / 利益剰余金 20,000
非支配株主持分 8,000


Q2のX2年度の連結貸借対照表に計上されるのれんの額は、2年目ですから、2年分の2,000分を差し引いて、8000です。

Q3のX2年度の連結貸借対照表に計上される非支配株主持分の金額は、上で行った仕訳をもとに計算します。左にある88,000と16,000を足して、そこから8,000を引けば、96,000となりますです。


解説動画では11:17あたりから、よせだ先生はタイムテーブルの解説をしています。

タイムテーブルを使って解く方法は、連結2年度以降の開始仕訳を書くときに使うと便利。しかし、運が悪く連結2年度以降の開始仕訳が出題されなければ、タイムテーブルは使わなくて済むし、この方法は資本連結の部分にしか使えないので、成果連結は仕訳を別途書く必要が出てくるそうです。ということで私の脳のキャパシティを考えると、ここまで学習する必要はないと思います。もしそんな意地悪な問題が出たら潔く捨てて次回の受験に期待します。



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