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【簿記2級 商業簿記】2023年度版テキストP424 連結会計④連結会社間の取引の動画解説 [簿記]



資本連結が終わったので、ここからは成果連結に関する仕訳です。

Q1は連結会社間の取引の消去の問題。P社のS社に対する「売上」とS社のP社からの「仕入」を消去します。連結会社間の商品の移動に過ぎませんので、それを儲けにしてはいけません。それを許すと、商品を行ったり来たりさせるだけで、儲けを偽装することが可能になってしまいます。

連結会計では「売上」は「売上高」、「仕入」は「売上原価」となります。

仕入れがなかったものとするので、売上原価を右に、売上もなかったとするので、売上高を左に書きます。

売上高 660,000  / 売上原価 660,000


Q2も連結会社間の取引の消去の問題です。P社はS社に対して短期貸付金400,000があり、受取利息が2,000とのこと。問題文には書かれていませんが、S社側から見ると、P社に対して短期借入金と支払利息があるということです。それらを相殺消去します。短期貸付金は資産なので右、同額の短期借入金は負債なので左に書きます。受取利息(収益)と支払利息(費用)も同様にホームポジションと反対側に書いて相殺します。

短期借入金 400,000 / 短期貸付金 400,000
受取利息 2,000 / 支払利息 2,000

ここまでは簡単です。

Q3は手形取引の問題です。期日が到来して決済したものは無視します。P社がS社から受け取った約束手形のうち期日未到来のものは250,000です。そのうち40000を買掛金の支払いのために外部の企業へ裏書して譲渡しています。

約束手形の裏書というのはわかりにくいので説明しておきます。相手先の企業に納品したときに、相手先の企業は現金を支払うのではなく、あとで代金を支払う約として手形なるものを発行することがあります。借金の証明書です。受け取った側は、その期日が到来した日以降に銀行に持っていくと現金化してもらえます。その約束手形は現金同様に扱えるので、受け取った約束手形を別の企業との取引の代金として支払うことができます。そのときに、裏面に自社の名前などの情報を記入して、相手先に手渡します。相手先の企業は期日を迎えたときに銀行に持って行って現金を受け取ることになります。しかしながら、もともとその約束手形を発行した企業が銀行に借金を支払わなければ、裏書した側の企業が借金を立て替える義務が発生します。それが約束手形の裏書です。

この問題で、P社が仕入先に、裏書した受取手形40,000を渡したケースでは、連結グループのS社が発行した手形をそのまま外部に移動させただけで、自分の利益にしたわけではないので、連結会計仕訳をする必要はありません。

まずは簡単なところから片付けます。

P社が金庫に保管している受取手形は150,000あります。これはS社が発行した支払手形ですので、グループ間を移動しただけです。その二つを無かったものにします。支払手形は負債、受取手形は資産ですから、ホームポジションの反対側に書きます。

支払手形 150,000 / 受取手形 150,000

次に、割引した手形の処理をします。手形の割引とは、手形を期日到来前に銀行に持って行って、手数料(利息)を支払って現金化することです。その支払利息は損失です。勘定科目では手形売却損になります。

S社が発行した支払手形60,000をP社が受け取って、それを銀行で現金化したということなのですが、連結グループ全体が銀行から短期でお金を借りたことを表します。したがって、支払手形を(正しい勘定科目である)短期借入金に振り替えます。振り替えるというのは、勘定科目を変更するということです。ただ名前を変えるだけです。

支払手形 60,000 / 短期借入金 60,000

最後に、P社が銀行で手形を売却して支払った手数料(手形売却損)は、(正しい勘定科目である)支払利息に振り替えておきます。これはお金を借りて、利息を払った形と一緒だからです。

手形売却損 300 / 支払利息 300









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