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趣味を愉しむ家づくり [家・DIY・修理]



家は寝に帰るところという認識しかない建築家、設計者がいまだに多いですね。だから、暮らしにくい、つまらない家になってしまうのです。

昔の農家だったら、雨の日も部屋の中で仕事ができるように三和土(たたき)があって、そこは同時に、客人を気軽に迎え入れることができる場として活用されてきました。昔の映画を見ると、みすぼらしい身なりの旅人が三和土の隅でいいので、一晩寝させてくれとお願いするシーンがありますが、いまどきに家では旅人を泊めるような余裕はありません。

その余裕の空間は、趣味のものを置いておく場として活用できると森下さんの会社の若手たちが気づいてしまったとのこと。彼らはが、その田舎の家やログハウスで有名なBESSの家をモデルにして、趣味を愉しむための家というのをコンセプトとしてモデルハウス作りをしているそうです。非常にいいアイデアだと思います。

私は昔から多趣味な人間でして、物を作ったり修理をしたりできるように、自分で本棚や机も作りました。使いにくい家なので、自分でいろんなところを手直ししています。机を長くすると、作業中のもののを置いておいても、空いたスペースで仕事の予習もできます。作業のたびに机の上をきれいにしなくても、次の作業にさっと移れるので便利です。

趣味が多いと、細々とした工具や道具が増えていくのですが、いずれはそういうものを整理整頓できる棚をクローゼットの中に設置したいと思っています。クローゼットは布団をしまうスペースのようにふつうの設計士は思い込んでいますが、いまどきの人間はベッドで寝ているのですから、布団なんかしまうスペースはいらないのです。そんな押し入れは湿気が溜まるだけでろくなことはありません。あのスペースは有効活用できるはずです。

建築家や設計士たちは、すっかり時代が変わってしまっているのに、寝に帰るだけの家というコンセプトだったり、寝具は敷布団という発想のまま家づくりをしています。それが家で仕事をするようになった現代人や、ライフワークバランスを重視する人たちにとって、家を住みにくいものにしているのでしょうね。

その点、趣味を愉しむことに焦点を当てた家づくりは、今の時代に合っていると思います。森下さんたちがどんな家を作るのか楽しみになってきました。




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