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人はなぜ「セールス」を嫌がるのか_脳科学_人間心理学センターピース_成幸のカニミソ [雑感・日記・趣味・カルチャー]



屁理屈を言って無理やりモノを買わせようとする押し付けセールスは嫌われる。営業成績の上位はみな人格者。決断する材料を提供するだけで、判断は顧客にお任せすべき。

まったくその通りです。私は営業の人が大嫌いです。私も昔、短期間ですが店員をやったことがあり、そのときにそういう商法をやれと上司と同僚に押し付けられました。できるだけ高いものを買わせるように誘導しろと。私は拒否して、買わせるつもりがまったくない態度をとり、お客さんとの雑談を楽しみながら情報を提供することを心がけました。すると、その日一番の売り上げを私が叩き出すという結果になりました。私が対応したお年寄りのお客さんがある高額商品を買おうかどうかと悩んでいました。いったん帰ってしまったのですが、数時間後に戻ってきて、やっぱりあなたかから買いたいと言ってくれて、その商品をお買い上げいただきました。買い手側の心理を理解できているという印象を持ってもらえたのでしょう。

嫌われる営業マンの話ですが、私が大学生だった頃に、アパートに西川の布団の売りつけに来た人がいました。その人曰く、人は寝ている間が3分の1なのだから、寝具に収入の3分の1を注ぎ込むべきだという論理で、私に高級羽毛布団を買わせようとしました。部屋まで上がり込んで、布団を見せろとまで行ってきました。いまなら家宅不法侵入罪で訴えられますよ。宅配便の配達員は敷居すら跨がないようにしているというのに。彼の論理は一見、理屈が通っていそうに思えますが、まったく通っていません。月収が30万円だったら、毎月10万円も寝具に注ぎ込み、年収360万円のうち120万円も毎年寝具を買わなければいけません。そんな論理を受け入れる人は世界中どこを探してもいないでしょう。ましてや貧乏大学生で、アルバイトもしていない人なのですから、収入はゼロです。そんな大学生ならば、寝具に注ぎ込むお金はゼロの3分の1でいいということになります。つまり、0円です。その営業マンは頭が良さそうにも思えますが、馬鹿すぎて話になりませんでした。

同様な馬鹿は、宗教関係者にもたくさんいます。大学生の頃は、よくアパートの玄関先でエホバの証人と議論をして遊んでいました。偏っている人というのは、勉強の仕方が間違っているために、論理的にものを考えられない人だということがわかりました。

話がそれましたが、人を説得するというのは、屁理屈では無理です。重要なのは感情に訴えることです。困っていない顧客を不安がらせる方向ではなく、困っている顧客の不安を解消する方向に進むべきなのです。世の中では、こうしないと大変なことになるよ、という「不安ビジネス」が横行していますが、基本的に私はよほど体調が悪い時ではないと引っかかりません。必ずしも悪いことばかりは起きないし、自分の不安が100%的中するわけでもありません。

営業の人がやるべきことは、顧客が自分の頭で判断できるように、ポジティブな情報もネガティブな情報もバランスよく提供することです。それは教育に似ています。考えるための材料と考え方のパターンを教えるだけです。出来損ないの営業マンはそれ以上のことをするから嫌われるのです。