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生産性? [雑感・日記・趣味・カルチャー]

「日本の生産性は先進国で最下位」を素直に受け止めない人が多いのはなぜか(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース

「生産」というのは、資本を使って、原材料を調達し、従業員を雇い、彼らに製品化させ、市場で販売し、利益を得て、それによって資本を拡大し、かつ従業員に利益を分配することを指す。

資本主義の本質は、資本の拡大であるから、企業側の「生産性」としては、実質的に、利益も上げ、株価も上昇しているのであれば、生産性、つまり生産の効率性が高まっていると言える。

しかし、その行為は、日産のゴーンではないが、リストラと称して従業員の数を減らし、また給料を削ることで、企業体としての価値を高めているだけである。労働者の「生産性」を下落させていることになる。

生産の対義語は消費であるが、従業員もまた消費者である。労働者の労働への対価が減れば、消費者の価値も下がる。自らが生産したモノを買うお金がないのであるから、その分、消費者の数も減り、モノは売れなくなる。高価なものは買えなくなる。税金の安い(企業側としては利益の乗らない)軽自動車ばかりが売れているのは、そういう理由である。

その矛盾を解決するために、企業は海外で製品を販売する。さらに、よりコストを抑えるために、生産拠点を海外に移転する。従業員も現地で雇い、税金も現地に落とす。それが「グローバル化」の真髄である。

それがために、ますます国内の労働者の懐は寂しくなっていく。これが日本を没落させている減少である。少子高齢化も、おそらくこれに起因するものだろう。いくら子供が生まれてきても、生産者としても消費者としても価値がないと企業や国家が認定しているのであるから、ますます少子化は進むだろう。現在の日本では、子供というものは、労働力ではなく、高級車よりも遥かに高額な買い物なのである。贅沢品になっている。贅沢ができないのであれば、子供は必要がないと考えるのが当たり前である。

この動きを逆回転させるつもりがあるのであれば、資本の海外流出を食い止め、労働者の価値を上げることである。畢竟、それが生産性や出生率の向上につながる。

残念ながら、この真実を口にする保守政治家(右翼?)は、ただの一人もいない。政治家が思い込んでいる生産性は、国民の財産を競争力の強いグローバル企業に売り飛ばし、国内の労働者の価値を下げることである。同じ労働時間、同じ給料で生産品を2倍3倍と増やすことであると勘違いしているのであるから。できるだけ早く、富裕層の味方でしかない自民党政権が崩壊することを期待したい。