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あなたが幸せになれない理由【精神科医・樺沢紫苑】 [健康・メンタルヘルス]



セロトニン的幸福(健康)、オキシトシン的幸福(愛情)、ドーパミン的幸福(達成感)の3つを手に入れることができたら、完全な幸福状態になれるという内容の本だそうです。

面白いのは、ドーパミンが依存症の原因になることがあるということ。ドーパミン的な幸福を追求する欲求は無限で、そのままだと永遠に満足できません。ドーパミン的な幸福は逓減するからです。月収が2万円上がったとしても、上がったときはうれしいと思うけれど、すぐに慣れてしまって幸福感を味わえなくなるというのがそれです。この状態を防いで幸福感を得るためには、逓減することのないセロトニン的な幸福とオキシトシン的幸福を掛け合わせる必要があるとのこと。要するに、傍目には幸せそうに見えても本人が幸福感を味わえないのは、ドーパミン依存症に陥っているからかもしれないというのが『3つの幸福』の趣旨だそうです。


精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法

精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法

  • 作者: 樺沢紫苑
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2021/03/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



アマゾンのレビューは相変わらず辛口ですね。彼らこそ不幸な人たちの典型なんでしょう。基本的には、自分が求めている答えが書いていないというのが不満の理由のようです。引用文献のリストがないというのは、ただの難癖です。学術論文や専門書という位置づけではないのですから、そこまで厳密さを求める必要はありません。その程度の理解しかないのですから、中途半端な学歴のレビューアーなのかもしれません。

中には、不条理なことを言うレビューアーもいます。自分は他人といるとストレスが溜まるし、いつ後ろから刺されるかわからなくて不安になるから、そういう人にとっては、オキシトシン的幸福は存在しないと言うのです。異性や家族やペットに対して愛情を感じることもないし、友人もいないのでしょう。他人への不信感にさいなまれているというのなら、それは不安障害(不安神経症・強迫性障害)の症状かもしれないので、いますぐ精神科か心療内科を受診したほうが良いと思います。99%病気です。

年収1000万円を超えたら読む本だというレビューも的外れですね。年収400万円の人には読む資格がないかのようなことをいうのは3つの幸福の本質を理解していないのでしょう。

アマゾンのレビューを書く人たちは、基本的に無教養な方が多いと以前から感じています。きちんと本が読めない人、読解力がない人たちなんだと思います。こういう本を読もうとするくらいですから、メンタリティーもやられていて、視野狭窄に陥っている可能性もあります。私は樺沢先生の本を読んだこともないし、読むつもりもないので、だからこそ一定の距離感をもつことができているのかもしれません。

精神科医でYouTuberの益田祐介先生によると、精神を病んでも、教育歴が低い人はそこから抜け出すのが容易ではないとのこと。学問がないので、自分自身を客観視できないからというのがその理由だそうです。精神的な病を克服するためには、他人に「話す」ことで、自分が抱えている問題と自分自身を「離す」ことが必要だと精神医療の分野では良く言われているそうですが、まさに自分を客観視する能力に欠如している人たちが、トラブルを抱えたり、トラブルを引き起こしたりする傾向が高いのだと思います。

また、益田先生は、国語、英語、数学、理科、社会、図工、音楽、体育など、分野ごとの得意不得意で、病気の治り方が違うということもお話ししておりました。非常に興味深いのですが、これは臨床医の直観でしかなく、誰かの研究でもないそうです。でも、ありそうな話ですね。

とにかく、メンタルがやられている人は、自分が見えないし、それだけではなく、他人も見えない状態であるということに気づいていないのです。「ジョハリの窓」というものがあります。Y軸に他人と自分、X軸に知っている、知らないを置いて、4つのカテゴリーに分けると、お互い知っているのは「開放領域」、お互い知らないのは「未知領域」、自分が知っていて他人が知らないのは「隠蔽領域」、他人が知っていて自分が知らないの「盲目領域」です。教養のある人なら、どんなことにおいても、4つの領域が存在していることを客観的に認識できるのですが、教養がない人だと、自分自身の狭い視野から自由になれないので、すべて自分の目に映っているものだけが現実だと錯覚してしまうのです。自分の認識が間違っているという視点に立てる人は、ふつうはメンタルはやられませんし、やられても回復は早いはずです。職場や学校でも「未知領域」や「隠ぺい領域」などから「開放領域」に向かう努力が必要だし、本を読むときも同じです。読解力がない人は、「盲目領域」に自分がいることさえ気づけず、自分が理解できないのは自分が悪いとは思わず、他人のせいだと言いがちです。そういう人が近くにいると、ストレスが溜まりますね。

アマゾンのレビューを読むと、だいたいはイかれている人ばかりのようですので、そういう視点からレビューを読む必要があります。書いてあることを真に受けるのは危険です。もちろん真実も含まれていますが、嘘や偏見も含まれています。それらを客観的に見るというのは極めて高度なスキルが必要です。



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