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「特別入試」で難関大学に子どもを合格させる方法 偏差値よりも「観察力」を高めた子が勝つ時代 [資格・学び]

「特別入試」で難関大学に子どもを合格させる方法 偏差値よりも「観察力」を高めた子が勝つ時代

今、日本には相対する2つの学力観が混在しています。暗記勉強と情報処理訓練にひたすら時間を費やし、子どもをAIロボット化することを良しとする古い学力観と、世界を五感で体験させ、思考させ、主体的に学ぶ意欲を涵養しようという21世紀の新しい学力観です。


ある時、私は授業をしていて、学習意欲の低い子どもたちが、揃って「飛ばし読み」をしていることに気づきました。目の前に書かれてある文字を、誰一人きちんと読んでいないのです。以来、子どもの学力と観察力とは密接な関係にあるのではないかと思い始めました。


私も授業の中で、学生や受講生に「文章の書かれ方」を観察することを求めます。内容を理解することだけを重視して読み飛ばしする学生もいますが、文法的なところをしっかり押さえていないことを観察によって発見すると、きちんと指摘して訂正します。そのうえで、文章を時間をかけて観察させ、正確に事実を把握し、それによって呼び起こされた感情や記憶を語らせ、さらに文章を分析・評価させます。そういう作業を気長にすべての学生にやらせると、半年もすれば意識が変わってきます。もちろん、無理強いするといやいや勉強することになりかねないので、好きなことを語らせて、楽しいという雰囲気を演出しています。結果、そういう授業ではまあまあうまくいっています。

一方、相変わらず、語学におけるトレーニングの側面を重視する頭の古い上司の教員が選んだ教材を使わされている場合、学生がなかなか私についてきません。私が悪いわけではなく、教材が悪いのです。学生の考えを変えることは比較的容易ですが、上の世代の凝り固まった考えを変えるのは本当に難しいです。