SSブログ

「コロナ疲れ」してますか? [雑感・日記・趣味・カルチャー]

「コロナ疲れ」あなたは大丈夫? 相談増加…心と体のセルフケアを:東京新聞 TOKYO Web

私は「コロナ疲れ(covid-19 fatigue)」はしていません。どこかに行きたいという欲求不満は多少なりともありますが、イライラするほどではありません。昨日、大学から「コロナ疲れ」に関するアンケートが届いたのでびっくりしました。まだ回答していないのですが、たぶん問題はないということになりそうです。いまの生活が居心地が良いので。

今朝、パンを口に押し込みながらコロナ報道に関するテレビを見ていたら、妻がまたもや「コロナに罹っている人なんか周りにいなんだから、インフルエンザと間違えているんじゃないの。コロナ、コロナって騒いでいる人たちは、仕事に行きたくない人たちだと思う。だって、みんなそう言っているよ。パートの仲間も、ネットでも」と次男の前で言い出したので、即刻パンを無理に飲み込んで、「またお母さんの陰謀論が始まったね。この1年は宇宙飛行士になる資格があるかどうかを見るためのテストだったと考えたら面白いと思う」と話してみたら、次男は静かに首肯してくれました。加えて妻は「自分がコロナになったら、コロナって本当だったと信じるけど、マスクしていたら風邪も引かないんだから、そんなものはないのよ」とテレビのアナウンサーの声をかき消そうとするので、すかさず「じゃあさ、都心に向かう満員電車にマスク無しで毎朝乗ってみてよ。感染しても我々は面倒見られないよ。それに、病院にだって入院治療を受けさせてもらえないんだよ。自宅療養と称して自宅放置されるんだからね。薬ももらえないし」と私が言うと、息子は「その前に、感染されても困る」と冷静な一言。「そういうのを正常性バイアスと言うんだよ」と私が妻に言うと、次男は「こういうときに心理学を学んでいると、いろいろわかるよね。今ないろんなサンプルが溢れているから」と言って、高校に向かっていきました。クールです。

うちの妻には困ったものです。自分の信念の根拠を「みんなが言っている」「自分の周りにはいない」に置いているんですからね。ちゃんと学校で勉強してこなかったことが、それだけでも明確にわかります。ありえないほど何も学んでいないのですよ。妻は教科書に書いてあることよりも、口コミやネット記事を信じるような人ですから、騙されやすいんでしょう。これまでテレビを信じてきたけれど、嘘ばっかりだったから、テレビで言っていることは全部信じないなんて言い出したりするのですから、極端すぎます。

世間の常識に反して、「みんな」が1+1=5だと言っていたからといっても、5が正しいというわけにはなりません。30人の教室の中で5が正解だと信じる人はが29人だとしても、正解が1であることには変わりはないのです。

妻は自分が信じたい情報だけを選別していることに気づいていません。しかも、コロナに関しての知識があまりに貧弱です。ほぼ何も知らないのです。全世界の有能な研究者らが新型コロナとインフルエンザの区別がつかないと本気で信じるようなことは、まともな教育を受けた人だったら、ありえないことです。「コロナなんか信じたい人だけが信じれば良いのよ」だなんて、占いでもあるまいし。

そもそもコロナに感染して、他人にうつして、その人を働けないようにしたり、殺してしまう可能性があるという事実にどうして目が向かないのでしょうか。妻は父親に似て極端に自己中心的な人で、自分のことしか考えていないから、そういう言い草が通用すると思っているのでしょう。

世間では若い者がコロナを撒き散らしているとまことしやかに吹聴する老人がいますが、うちの妻もそういう悪質な老人の一人です。妻は若者を悪者にはしていませんが、マスコミは悪だと思いこんでいます。あまりに思い込みが強すぎるのです。

妻が信じるような「外に行きたくない人が、コロナが怖いと言っている」という説なんて誰が唱えているのでしょうね。妻が見ているネット空間にはそんなことを発言する人が多数いるのでしょうか。私は妻以外からは聞いたことがありません。コロナも怖いですが、そういう空間に閉じ込められていることに気づかない人も怖いです。

妻はQアノン支持者が唱える陰謀論の日本版焼き直しを信じ、竹中平蔵と安倍晋三が、瀬戸内海に浮かぶ豊島(てしま)を人身売買の拠点にしようとしているというデタラメな説を家族に吹聴しています。今度暖かくなったら豊島に行ってくるんだと行っています。あそこはゴミの山で有名だった島じゃないですか。何があるというのでしょうね。

妻が私らに信じてもらいたがっている陰謀論は、こうです。竹中平蔵と安倍晋三らが芸能事務所のアミューズと結託し、チャリティ活動を装って資金を集め、その資金と安倍が懇意にしている暴力団や半グレを使って海外の幼児性愛者を満足させるために、日本や東南アジアで子供を誘拐しているというものです。その事実を暴露しようとした、三浦春馬さん竹内結子さんは自殺を装って暗殺されたんだそうです。ずいぶん奇妙な話です。

その錯乱した妄想を強化するもの以外は偽情報だとしてすべて拒否しています。そもそも前提が間違っているので、たどり着く結論も間違っていることは確実なのですが、それさえも気づかないのです。(自分が信じていることが崩壊するのを恐れるあまり)前提を疑うことができない人なのです。学者や研究者や教師には絶対になれない人です。

妻は確実に「コロナ疲れ」しています。買ってきたものは必ずアルコール消毒してから冷蔵庫にしまっています。テーブルも食事前には必ずアルコール消毒をし、一日に何十回も時間をかけて手を洗っています。手荒れがひどくなりすぎて、ハンドクリームが欠かせないほどです。いかにコロナを恐れているかわかります。私の数千倍は恐れています。私は買ってきたものをアルコール消毒なんかせず、そのまま冷蔵庫に放り込みますし、手も15秒くらいしか洗いません。面倒ですし、そんなものから感染することはほぼないことは知っているからです。怖いのは、感染者の息や飛沫を吸うことです。だから、無症状の人でも感染者が感染を拡大させる可能性があるのですから、他人との接触を極力避けています。それだけで十分だと思います。

私に「コロナ疲れ」があるとすれば、陰謀論を頑なに信じる妻に起因するものです。幸い、うちの息子達は、バカではないので、妻の言うことを1ミリたりとも信じるようなことはありません。それだけは救いです。

追記(10:31):昨日の仕事の残りを片付けているところです。コロナ禍における過ごし方について学生たちが書いた文章を読んでいるのですが、あまりに面白いので、もったいなくてなかなか捗りません。いつもはつまらなくて仕事が捗らないんですけど、珍しいこともあるものです。グダグダになっている学生もいるし、就職の面接の時のように、いかに自分が自己を確立しているかを証明するような文章もあり、そこからいろんなことがわかりました。みんな、けっこう無理してるなあ、と。「オレらは、もっとゆるーく暮らしてもいんじゃね?」と言ってやりたい気持ちをぐっと堪えて、それぞれの文章にまじめにコメントを返しています。