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コロナロス / コロナ・アンビバレンス 宇宙飛行士になるためのテストと捉える [雑感・日記・趣味・カルチャー]

イライラ、攻撃的になるのはなぜ?マスク生活が私たちにもたらす恐怖 [人間関係] All About

人間は「表情」と「声」を頼りに「安全」を確認している、というのはわかるなあ。トランプの四角い口を見ると、私は危険を感じます。ワニみたいに頭からガブリと食われそうで、恐ろしいです。あの爺さんは人間を食べたことがあるんじゃないかと密かに思っています。

コロナにうんざりしているはずなのに、なぜ「コロナロス」を抱いてしまうのか? 精神科医に聞きました

斎藤環さんは「コロナロス」「コロナ・アンビバレンス」という造語を使い、現在の人々の状況について興味深い分析をしています。確かに、私も、パンデミックが早く終わってほしいと思っていながらも、それが終わってしまうことにある種の名残惜しさを感じています。受験シーズンが終わってしまうことの寂しさみたいなものでしょうか。人間嫌いの私は、唾棄すべき愚かな人々と無駄に交流しなくて済む状況に居心地の良さを感じているというのもあります。一方で、気のおけない同僚たちと無駄話で涙が出るほど盛り上がりたいという気持ちも消えません。

今日もいつものように学生の書いた文章を読んで点数をつける仕事しました。課題の内容は、この1年何をして何を学んだかを綴るというものです。そろそろ混乱した想念が整理されてきた頃かもしれないと思って最終課題にしました。学生たちの書く文章は非常に熱量が高いものでした。私の教員生活は『ど根性ガエル』の町田先生と同じくらい長いのですが、こんなに学生の文章を読んで心を動かされたのは初めての経験です。

名優・永井一郎『ど根性ガエル』より - ニコニコ動画

マスコミやヤフーニュースのコメントを書く老人たちは「若い奴らは自分勝手に出歩いて、ウイルスを撒き散らし、俺たちを殺そうとしてやがる。まったくふとときものだ。許せん」という暴力的なメッセージをウイルスのように撒き散らしています。しかし、彼らの妄想とは異なり、学生たちは非常に真面目に、そして冷静に現在の状況を捉えています。もちろん、振り回されている学生もたくさんいます。いまだ混乱したままの女子の文章を読んで、そのうちいろんなことが自ずと分かるので、焦らなくてもいいという主旨のコメントを返しておいたくらいです。

学生の中には、動揺のあまり、自殺を考えたと正直に告白してくれた男子もいます。私は自殺については一切触れないようなコメントを返しておきました。私にとっては「希死念慮」なんて、定期的に訪れるもの、日常そのものですから、まったく驚くに足らないのです。そんなことを考えては駄目だ、なんて返したら、私自身の自己否定になってしまいます。自己否定は自分を殺すことです。そういう気持ちになるのは悪くはないというメッセージが伝わるように書いておきました。

ふと思ったのは、この状況を宇宙飛行士を選出するテストみたいなものとして捉えるのも面白いのではないかということです。緊急事態宣言下での自粛要請は「ずっと家にいるプレイ」です。行動の自由や家族や友人との交流を制限された状況で、人によっては孤独に苛まれ、強烈な虚無感に襲われたり、バタバタ落ち着かなくなって意味もなく外に飛び出してみたり、イライラを募らせて他者(または政府やマスコミ)を攻撃したり(アホな自粛警察!)、妙な陰謀論を信じたり、あるいは何も手につかなくなってしまった人もいるでしょう。そういう人は宇宙飛行士には絶対に向きません。

もしスペースステーションで、メンバーの一人が病気になってしまい、瀕死の状態になったとします。そのときに、医学的な知識を持っていれば、慌てずに適切な処置を取ることが可能です。知識は重要です。「なぜお前は病気になったのだ」と怒り出す人は宇宙飛行士になってはいけないでしょう。病気になったので病院に行ったら、医者に「なぜ病気になったんだ。病気になる前に来ないと駄目じゃないか」と怒られるくらい不条理なことです。ちなみに、これは落語のネタです。あるいは「俺たちはもう終わりだ」と神を呪う人も宇宙に行く資格はありません。洞窟の中で仲間の猿人たちと焚き火を囲んで酒でも飲んで談笑していてください。知恵も知識も状況分析能力もなく、すぐに頭に血が上って取り乱すような情緒不安定な人は、未熟な人間でしかありません。

コロナが人類に与えた試練は、次の時代でも生き残れる人間と、そうではない人間を選別するものだったのではないかと考えてみるのはどうでしょうか。人類の99.99999999%は不合格者でしょうね。私もその一人です。「オレはマスクはしないぜ。オレが選挙に勝ったんだ」と最後まで言っていた爺さんには真っ先に不合格の通知が届いたはずです。今どきだと「お祈りメール」かもしれません。科学的知識もまったくないし、ルールを自分の都合の良いように捻じ曲げてしまうし、人類が尊重すべき理念も破壊しようとするし、コミュニティーの崩壊を望むようなダメ人間の典型ですからね。そんな人を支持した人たちも、脳みそがないということで合格圏外にガチャガチャのスーパーカー消しゴムのように指でペシッと弾き飛ばされるでしょう。

また話が宇宙に飛びますが、医学博士でもある宇宙飛行士の向井千秋さんはこの状況をどのように観察されているのか、誰かインタビューしてほしいです。もしかしたら「閉口」しておられるのではないかと心配しております。

蛇足ですが、辞書で確認すると、「閉口」という言葉は「どうしようもなくて困る」という意味で使われますが、それは日本独自の使い方で、本来は口を閉じて物を言わないだけだそうです。