SSブログ

直近1週間の人口10万人あたりの感染者数(NHK) [雑感・日記・趣味・カルチャー]

直近1週間の人口10万人あたりの感染者数(NHK)

10万人あたり.jpg

日々発表される新規感染者数を見て一喜一憂する傾向がこの1年半続いています。しかし、冷静に考えたら、都道府県によって人口が違うのですから、単純に都道府県単位で比較するのは根本的におかしいのです。以前から、統計の分かる人はそういう指摘をしてきました。ところがいまだにマスコミは「東京は1000人に迫る勢い」などとセンセーショナルな見出しを打つのです。その数字は事実ですが、比較する対象を揃えないということは数学がわかっていないということです。知性のなさを感じます。

東京は確かに直近の一週間における10万人あたりに新規感染者数は突出しています。33.7人ですからね。埼玉の3倍近いです。しかしながら、分母が10万人ですから、新規感染者の割合は0.00337%にすぎません。高橋洋一氏の独特な(無慈悲な)表現を借りれば「さざ波」程度というのは確かなのです。そんな感染確率しかないのですから、大騒ぎすることもないという意見はある意味正しいと思われます。

しかしながら、だから安心だと言い切るのも非科学的です。いまは江戸時代の幕藩体制ではありません。多くの人が県境、市境をまたいで移動します。そんなバーチャルな境界線で守られていると思ったら、大間違いです。「まん延防止等重点措置」が延長されるさいたま市や川口市なんてほとんど東京都なのですから、実際は緊急事態宣言レベルなんですよ。このような都道府県単位で比較する方法は、そのような観点からまったく当てになりません。

分数をパーセントに直す方法とツール - 具体例で学ぶ数学

「さざ波」発言で引っかかるのは、なんでも数値化するという数学的発想です。私のような文学的発想をする人間にとっては片手落ちに見えるのです。10万人あたり33.7人程度なら、無視していい程度だ、というのであれば、熱海の土砂崩れによる死者なんて「さざ波」以下として完全に無視しなければいけません。10年前の東日本大震災の2万人の死者も若干大きな「さざ波」になります。高橋洋一氏の論理を敷衍すれば、そこまで過小評価することになります。高橋洋一氏が、あのような無慈悲な発想ができるのは、被害が自分には及ばないと思っているからでしょう。仮に自分自身がコロナに感染して生死の境をさまようようなことがあったら、洪水や津波にあって首まで泥に浸かって生還するような経験があったら、まったく同じようなことが言えるのでしょうか。そういう想像力がないのは、大きな人間性の欠陥だと思います。教養のある人間ならマクロとミクロの視線を持つべきだし、また自分がパースペクティヴ(遠近法)の囚人にすぎず、見えていない部分のほうが大きいという想像力を駆使できないといけません。

京大・藤井聡教授が4度目緊急事態宣言で菅首相をボロカス批判「ワクチン意味ない」(東スポWeb) - Yahoo!ニュース

安倍・菅路線というか、自民党自体が危機管理能力がないことの証明ですから、その事実を国民はしっかり認識して、次回の総選挙では自民党を弱体化させるような投票行動をすべきです。自民党は国民の味方ではないのです。明らかに「反日」なのですよ。

「ドイツすごい!」と思っていた時代が、わたしにもありました | Books&Apps

人間というのは誰しも入ってくる情報に限界があるので、学習(成長)するにつれて考え方が変わっていくものです。だから「ブレない人」は思考停止状態なのです。つまり馬鹿ということです。ところが雨宮紫苑さんによると、インターネット上ではそのブレ(成長)を許さないらしいのです。ネット民というのは恐ろしく馬鹿なんでしょうね。完全に無視したほうがいいです。馬鹿は相手にしないというのが正義です。

「一日1万歩」歩けば健康に? 日本「万歩計」会社の宣伝だった | Joongang Ilbo | 中央日報

私も数年前にこの事実を知りました。1万歩というのは万歩計を販売する会社のキャッチコピーであり、科学的根拠なんかないのです。せいぜい7千歩で十分だと、近年よく言われるようになりました。

我々の視野なんて本当に狭いものです。もっと謙虚にならなければいけません。