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「楽に学べる」本ブームと陰謀論【仲正昌樹】 [資格・学び]

「楽に学べる」本ブームと陰謀論【仲正昌樹】

超訳すると、独学もけっこうだが、自分よりもわかっている人との確認作業を経ないと、わかったつもりになって、お山の大将になっちゃうよ、YouTubeで勉強して陰謀論者になってしまった人や、(池上彰の本みたいに)簡単に世の中のことがわかった気になれる本を読んで論客ぶっている人みたいに、恥ずかしい人になっちゃうよ、ということのようです。まったく、おっしゃる通りです。

学生によく話すのですが、学問の基礎は整理整頓ですと。そうするとだんだん世の中のことがわかったような気がしてくるのです。しかし、そのまま学問を追究していくと、どんどんわからなくなっていくのです。自分が採用している分類法は正しいのか、その考えだけしか許すべきではないのか、と。だから、本当にわかっている人というのは、無知の知を唱えたソクラテスではないですが、「わからない」ことを前提に物事をとらえている人だと思います。学者や専門家はその専門を知り尽くしていると思われているようですが、実は学者や専門家はわからないから学問しているのであって、わかっている人ではないのです。逆説的ですがね。その辺の事情が分からない人が、世の中にはたくさんいます。残念なことです。




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