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今ここにある大切なものを抱きしめる [雑感・日記・趣味・カルチャー]



夏目漱石の『草枕』の主語は「余」だったのですね。すっかり忘れていました。私が大好きなピアニストのグレン・グールドが愛読していた書ということで、若い頃に私も読んだことがあるのですが、出だしの「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。とかくに人の世は住みにくい」は覚えているのですが、他はみな忘れていました。大事なことだったかもしれないのに、歳をとるにつれて、みんな忘れてしまうなあ。

人の世が住みにくいからと言って、引っ越してもそこも人の世ですから、結局この住みにくいところを、束の間でも住みよくしなければいけない、と書いています。

ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降(く)だる。あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故(ゆえ)に尊(たっ)とい。


私は今日から仕事に出ます。朝ごはんは胃袋に流し込んだので、いまから弁当を作ります。といっても、出来合いのものを箱に詰め込むだけ。作るのではなく、用意するだけです。独創も何もありません。














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