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ハラスメントと貧困 [雑感・日記・趣味・カルチャー]

女性の7割が電車や道路でハラスメントを経験。「実態調査」でわかったこと

昔、ロンドンに滞在していた時、ああ、ここは東京と同じで、人が冷たく、他人に無関心、アイルランドとは違って、困っていても誰も助けてくれないところだと思いました。

「おもてなし(hospitality)」の心は、当時日本に浸透しておらず、アイルランドの専売特許でした。アイルランドは”The Land of Thousand Welcomes”(千の歓迎の土地)という別名もあるくらいよそ者に優しい国です。

それに比べて、日本は同国民である他者にいかに冷たいかを強く実感できる国です。いまは2020年の東京五輪開催に向けて「おもてなし」の国として宣伝していますが、ほんの少し前は、おもてなしの感覚など誰ひとり持っていませんでした。英語の時間にhospitalityという単語を覚えても、「それって何?」という感じでした。これは急ごしらえの伝統なので、まったく根付いていません。hospitalityという言葉は、hospital、hostel、 hotel、hospiceと同語源であると知れば、少しはわかってもらえるかもしれません。

「お客様は神さまです」というのは三波春夫のセリフですが、日本には、客と店主が対等であるという文化がなく、サービスを利用する側を見下す文化があったから(それでいて金持ちは優遇する!)、三波春夫はそう言わざるを得なかったのでしょう。生前、彼がこの言葉に関して言い訳がましいことをテレビで告白していたのを記憶していますが、なんて言っていたか覚えていません。どうせ口から出まかせでしょうし。

リンガーハット、値上げでも大幅減益の理由 | 外食 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

外食というのは、一人暮らしでお金に余裕のある人には便利でしょうが、家族がいると、そうめったにできるものではありません。たとえば、ランチが1000円だとします。自分一人だけなら、まあ安いかなと感じるかもしれません。しかし、4人家族だと4000円です。自分は一人分しか食べないのに、その4倍も払わなければいけません。ふだん夕食を4人で1000円以下に抑えている家族にとって、その4日分も支払わざるをえないとなると、かなり身構えます。出てくる料理が材料費込みで1000円以下の価値しかないものであるのは明らかですから、極めて満足度が低くなるのです。そういう気持ちが積み重なっていくと、外食はありがたいものではなくなってきます。リンガーハットとて同じことです。

ファミリーレストランも同じです。ウェイターやウェイトレスさんは低賃金でこき使われている学生や主婦のアルバイトさんですから、欧米の高級レストランのような満足のゆくサービスを提供してくれるはずもありません。チップの制度もないので、競争原理も働きません。また、店内は、小さな子供を連れた声のうるさい家族ばかりで、静かに会話を楽しめる空間でもありません。豚が餌をがっつくような環境です。

最近はよくやく全席禁煙のファミレスが増えましたが、海外での「レストラン」の定義から大きく外れるほどの劣悪で下品な食堂でしかありません。食事も、家庭料理と互角か、それ以下です。どうせレトルトか冷凍食品なんでしょうというくらいなもんです。そういうところにわざわざ行かなけばならない状況というのは、帰りが遅くなってしまい、食事の支度ができないときくらいです。外食は、自分へのご褒美ではなく、仕方がなく、行くものになっています。

もちろん、お金が有り余っていればいくらでも行く機会を作れるでしょう。もっとサービスも味も良い高級レストランを利用できるでしょう。しかし、賃金も上がらず、税金や社会保険のコストばかりあがり、節約をせざるをえない状況なのですから、どこから削るかといったら、優先的に食費と衣服費と遊興費を削ります。

不況というのは、そのあたりの業界から始まるのが世の常です。近頃では、かつて絶好調だった「しまむら」もダメなようですね。観光業界に関しては、経済力を高め、日本を追い越しつつあるアジア各国の人達が、疲弊した日本の観光地を訪れるようになり、少しずつ賑わいを取り戻しつつありますが、そのせいで、宿泊費の値上げが行われ、私のような貧乏な日本人には一泊旅行でさえも手の届かない贅沢になってしまいました。

最初の話に戻りますが、日本におけるハラスメントは、昔よりはましになっています。昔はもっとひどかったので。きっと、ハラスメントを許さない人が増えたのでしょう。自分がされていることが、不当な行為だと認識する人が増えただけなのでしょう。もともと日本人は、よそ者に冷たい人たちです。閉鎖的な人たちです。自分の身内以外の人は、すべて敵であるという認識を持つ(好戦的な)人たちです。そのような貧乏くさい性根は普段、心の奥底にしっかりと抑圧されていますが、満員電車の中で十分に開放されるのです。

教師を挑発し暴行させる?生徒らは仲間割れの危機、高い代償払うことに - ライブドアニュース

これは教師へのハラスメント事件です。教師のクソガキへの暴力制裁の事件ではありません。どちらが正義であるかは明白です。関係している生徒は、全員退学処分が適当です。一方、当該教員は、教育熱心な先生として、高く評価されることでしょう。町田総合高校を追い出されても、他にいくらでも就職先はあるはずです。この事件を受けて、性根の腐ったゴミどもが日本に存在している事実をしっかり認識して、日本の将来がこれ以上暗いものにならないようにしないといけません。町田総合高校の生徒たちは犯罪者予備軍です。自分たちが行っていることは事件性のあるハラスメントであり、それが犯罪であることさえ認識する能力さえないのですから、あまりに低能です。ネット上では、当該生徒たちの名前や住所などしっかり公開され、社会的制裁を受けているようです。心の貧しい人たちに対する当然の報いです。彼らにはもはや将来はありません。後悔先に立たずですね。角度を変えて見れば、これは囚人(当該高校生)による刑務官(教師)への暴行事件なのです。現場の教師以外には、なかなかわかってもらえないことでしょうが、これが真実です。

日本企業の賃金はなぜ上がらない? 理由は“配当金”にあった!?|TOKYO MX+

よく知られている事実ですね。こうして日本人がもらえるはずだった給料が海外の富裕層に流れていくわけです。グローバル化という名の「収奪システム」の下で、日本人はますます経済的にも精神的にも貧しくなっていくのです。