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ツバメの巣立ち [ペット]

犬の散歩に出かけようと玄関を出ると、道路に黒いものが落ちているのが目に入りました。ゴミ収集所にゴミを捨てに行くところで差し掛かった自転車のおじさんも気づいたようで、振り返りながらチラチラ見ていました。その黒いものは、アスファルトの上をよちよち歩いています。巣立ったツバメでした。

近くを2羽のツバメが飛び交っています。先に巣立ったきょうだいでしょう。こうやって飛ぶんだよと、励ましているようです。ツバメの巣を見ると、2羽残っています。どうやら今朝、3羽が巣立ったようです。

路上のヒナをためしに追い立ててみると、羽をばたつかせて20cmほど浮上しますが、すぐに諦めて歩いてしまいます。そのままだと車に轢かれてしまうので、一度手で掴んで高いところから飛ばしてみましたが、空高く舞い上がるのはまだ難しそうです。

外敵を装って、畑の方まで追い立ててみました。うちの犬が食い物でも見つけたかのように、ツバメのヒナを一緒になって追いかけます。もちろん食いつかせてしまったら、一巻の終わりですから、リードはしっかり握ったままです。10メートルほど先まで移動させたところで、安全地帯に到着。ちょうど畑から路上に張り出した木の下に落ち着いたので、そこなら、クルマに轢かれることもないだろうと思って、そのまま私たちは散歩に行きました。

20分ほどして、帰ってくると、さきほどのツバメの姿は見えません。どうやら、巣立ったようです。近くにカラスはいなかったので、カラスの餌食になった可能性は低いです。

巣の中には依然として2羽残っています。今日中にすべてが巣立つかわかりませんが、ようやく巣を撤去できる時期になりました。玄関先がフンだらけで汚くていやだったのです。来年は、おもちゃのヘビでも置いておいて、寄りつかないようにしようかな。

ツバメが幸運を呼ぶというのは農家の迷信ですが、ツバメが畑の害虫駆除に役立つということでしかありません。我が家では、すでに3年もの間に25羽以上を巣立たせましたが、幸運といった幸運が訪れていません。ツバメの恩返しの非科学的な実験をしてみたのですが、有意な差(変化)は見られないとの結論をつけざるをえませんでしたね。

恩返しどころか、恩を仇で返されてばかりいます。フンやら虫の死骸やらの掃除ばかりさせられています。「舌切雀」の中に出てくる、いじわるばあさんがもらったお土産のような状態です。野生の動物に関わることは、あまりいいことはないのですね。

追記:10時過ぎに業務スーパーに買い物に行って帰ってくると、家の前にツバメが1羽、血を流して死んでいました。クルマに轢かれたようです。巣を見ると、1羽しか残っていないので、今朝見た2羽のうちの1羽が巣立ちそこなって、クルマに轢かれて死んでしまったようです。無残な死に方です。なすすべもないので、そのまま放置しておきます。猫かカラスの餌になるのかもしれませんし、そうならなければ、ゴミの日に出すしかありません。野生の動物にとって、死が身近なものだということを改めて思い知らされました。無念です。

追記の追記:改めて巣を見ると2羽いたので、やはり轢き殺されたのは、今朝巣立ちに失敗し、私と愛犬とで畑の方まで追いやったヒナでした。自分にとって適切な時期ではなく、周りに合わせて巣立ちをしてしまったツバメを見ていると、人間の世界と同じように思えます。自分の頭で考えず、周囲の大きな声に従ってしまうと、結局ろくなことはないです。石橋は叩いて渡ったほうがいいのですよ。死骸を野ざらしにしておくのも、道端に人間や犬猫の死体がゴロゴロ転がっていた奈良時代の日本のように無残なので、袋に入れて回収しておきました。犬の糞を回収するときのようなやり方で、ポリ袋に手を突っ込んで、死骸を掴んで、袋を裏返しにして持ち上げると、ふわりと浮くような軽さを感じました。



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