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テレビの衰退 [雑感・日記・趣味・カルチャー]

減りゆくテレビCM、制作現場の変化と働く人たちのジレンマ(マネーポストWEB) - Yahoo!ニュース

今後、テレビを見る人の数は減る一方で、増える見込みはないでしょう。とくに視聴者の知性を高めることを無視した民放はすでに衰退しつつあります。民放のビジネスモデルは企業から広告費を受け取り、CMを放送することが主目的です。番組はすべてスポンサーへの忖度で作られているので、視聴者はテレビを見ている間中ずっと消費を促すメッセージを受け取ることになります。あれが流行っている、これがうまい、ここへ行くと楽しいなどなど、どれもこれもワンパターンでうんざりします。

(番組の中で、俳優が出てきて、ドラマの宣伝をするということもありますが、あれは悪どいです。)

そういうものばかり見ていると、現実世界がわからなくなってしまうと思います。現実を知るためには、自分の目と耳と体を使って体験することが必要ですが、それだけでは不十分です。一人の人間が体験できることには限界があるからです。したがって、企業をスポンサーに持っていない個人の目を通した世界観を追体験することも必要です。

その意味で、テレビとは違って、書籍やYouTubeというのは、個人の限られた視野を少しだけ拡大する効果が期待できます。消費活動を促すことが主目的のテレビをいくら見ても、まったく異なる視点は手に入れられません。

私は以前からテレビを見ているとフラストレーションが溜まるようになりました。産めよ増やせよではないですが、どんどん消費しろと言われても、給料は上がらず税金と将来不安ばかりが増えていきます。あれも買いたいし、外国にも行きたいけど、実際問題、先立つものがありません。テレビを見るたびに、そんな気持ちにさせられていると、だんだん気分がおかしくなってきます。まるでディズニーランドにさまよい込んだような気持ちです。そこにいる限りは幸せな気持ちを錯覚できるかもしれませんが、ファンタジーの世界を生きているふりをさせられている自分を惨めに思うのです。それがフラストレーションの原因です。

好き好んでそんなマゾヒスティックな体験に耐えるためにテレビを見るなんてことは誰だってしたくはないでしょう。だから、どんどんテレビから視聴者が離れていくのです。

私が集中的にテレビを見るときは災害時です。それだけがテレビが報道する唯一の現実だからです。風で横転したトラック。吹き飛ばされた屋根。運行を停止した電車の再開を待つ長蛇の列。洪水で水浸しになっている家。そんな悲劇的な様子を見ながら、私と同じ現実を生きている人がいるのを確認して、安心できるのです。それ以外はすべてウソで塗り固められたファンタジーです。

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