SSブログ

第37回「コロナになってもいいや」というインタビュー映像を見て、「この気持ちを知っている」と思った日の苦しさ - コラム | Rooftop [雑感・日記・趣味・カルチャー]

第37回「コロナになってもいいや」というインタビュー映像を見て、「この気持ちを知っている」と思った日の苦しさ - コラム | Rooftop

たしかその女性はパチンコ屋に行ったのだけれども、その店が休業要請に従ったのでパチンコが出来なかった女性だったと思います。記者が、その女性に「怖くないんですか」と聞くと、「私、コロナに罹ってもいいんで」とヘラヘラ笑いながら答えていました。

その瞬間、私も、朗読詩人の成宮アイコさんと同じように「わかる」と感じました。

インタビューしている人や、視聴者の99%には、「なんだこいつバカか」という感想を持ったに違いありません。うちの妻もそっち側の人間です。でも、私にはその女性の気持ちがたぶんわかると思います。

「もういいんですよ。どうでも。生きていても、すでに死んでいるようなもんですから。がんばっても、がんばってもね、なんやかんや潰されるんですよ。努力しても、むだ。いろいろ馬鹿らしくなってしまったんです。何がコロナだよ。コロナで死ねるなら、さっさと殺してくれよ。でも、どうせ私はそんなものでは死ねないんでしょう。まだ若いから。ああ」

そんな気持ちじゃなかったのかなあ。だいたいね、人は本当に辛いときは、ヘラヘラと笑うもんですよ。人前ではけっして文句も言わず、ひたすら、ヘラヘラするんです。かなりヤバい精神状態だと思います。でも、わかってくれる人ってなかなかいないんですよ。私が妻にたまにそんなことを言うと、「そういう人こそなかなか死なないものよ」などと、説教されるだけです。うんざりします。そういうことじゃないんだよ、きみ。