SSブログ

他者のテリトリーを犯してはならない [雑感・日記・趣味・カルチャー]

仕事をする気が起きないので、夕飯の買い出しに行ってきました。家の前の道路で水道管の入れ替え工事をしているので、邪魔にならないようにクルマではなく、歩いていってきました。

作業現場の横を通るときに、穴の中を覗いたら、太い水道管が見えました。錆止めの赤茶色の塗料が塗られている土管です。他にも鉄色の細いパイプが見えたのですが、あれが各家庭に分配するものなのでしょうか。道路の中が見えて面白かったです。

ああいいう仕事をする人たちのことを鉛管工(plumber)といいますが、先日ウェブ記事を読んでいたら、鉛管工に転職したオジサンがすぐに辞めてしまったという内容が書かれていました。朝から晩までタバコの煙にさらされ、重機の音よりも大きな声で怒鳴りちらされるし、仕事が終わるとパチンコ屋にダッシュするような人たちとは一緒にいられなかったそうです。その気持ちはよくわかります。

私は酒が飲めないので、酔っぱらいと一緒にいると地獄の業火にあぶられているような気分になります。だから飲み会に誘われても絶対に行きません。それも生活習慣の違いですから、私のほうが彼らに合わせる義務はまったくありません。イスラム教徒に豚肉を強制的に食べさせるような行為と同じですからね。

以前、生活費に困って工具屋でアルバイトをしたことがあるのですが、他の従業員たちは全員勝手に休み時間を取ってタバコを吸いに行くのです。ズル休みはどうでもいいのですが、タバコを吸わない私には彼らの帰ってきた後に吐く息の煙臭さが耐えられませんでした。さらに、客に対する挨拶の声が小さいだの、帰る客には「ありがとうございました」ではなく「ありがとうございます」と言えだとか、客には万引を防ぐためにもステルス接客をせよだの、嘘を言ってもいいので、客になにかを買わせろとか、仕事を辞めてもうちの店の悪口は言うなとか、小言がうるさいのです。

客の立場から言わせてもらうと、売り場で従業員に話しかけられるのが一番イヤですし、観察されるのも気持ちが悪いので、そんな接客をされたら何も買わずにすぐに帰りたくなってしまいます。だから、個人的には、そういうやり方を避けていましたが、私の上司はそれが気に入らなかったようです。

事程左様に、異業種であればあるほど、根本的に考え方が合わないものです。自分とライフスタイルや考え方の違う人を差別するわけではないのですが、付き合うのは相当なストレスになることがよくわかりました。お互い理解し得ない集団というものはあるのです。相手の集団を滅ぼすことは不可能です。お互いを尊重して、穏やかに共存していくことが重要だと理解しました。別段仲良くする必要もないし、仲違いする必要もないのです。近づかないようにしておけばトラブルは回避できます。野生動物が人里に下りてきて人間に被害を与えることがありますが、悲劇を避けるためには、野生動物が山の中で自己完結できる環境にしておけばよいのです。縄張り(テリトリー)というものはそういうものです。