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因果関係を科学的に証明するのは難しい [雑感・日記・趣味・カルチャー]

皆「科学的根拠」を勘違いしている - 浜谷陸太|論座 - 朝日新聞社の言論サイト

因果関係を科学的に証明するのは難しいことです。世の中には、相関関係や前後関係と混同している人が圧倒的多数ですから、こういう記事はどんどんアップしてほしいものです。そもそも関係性について雑駁な捉え方をしているような人々は、こういう記事を読んでも、理解できる読解力すらないのでしょうけどね。

この記事で勉強になったことが1つあります。科学的な検証によってAという薬がある病気に有効であると認められたとします。しかしながら、有効性というものは、その薬が集団に対して効果が出ることが多いということを示しているのであって、一個人に効くかどうかはわかりません。もし私がその薬を飲んで効かなかったら、私にとっては効かない薬でしかありません。がんの治療薬もいろいろあるようですが、医師がいろんな実験をしながら、効く薬を探していくということをして治療にあたっているということはよく知られていますね。コロナに関しても、同じことが言えます。有効な薬が見つかったと喜んでいる人がいても、我々は必ずしも安心できるわけではないのです。感染しても、その治療薬で確実に治せるという信憑は科学的にはないのです。だからこそ、そもそも感染しないような生活を送ることが必要だし、感染しても重症化しないようにするワクチンの接種を受けることが不可欠なのです。

うちの妻はいまだにワクチンを接種すると死ぬ人もいるので怖いから打たないと言っています。ワクチン接種後に死んだ人がいるのは確かです。しかし、そこに因果関係が成立しているかどうかの証明は困難です。その人はワクチンを打たなかったとしても、その日死ぬ運命だったのかもしれません。そんなことを証明することはできません。さらに続けますと、妻の理解の問題なのは、死なない人のほうが圧倒的多数であるという事実を無視していることです。死なない人のほうが圧倒的多数なのに、たった一人でも死ぬ人がいると大騒ぎをするのは偏った見方です。

また、妻によると、自分は手や指、また買ってきたものの消毒を行い、マスクをして感染予防を徹底しているおかげか、いままでのところ幸いなことに感染していないし、自分の周りにも感染者はいないから、自分はワクチンを打たなくても感染しないと信じているそうです。これに関しては、よく聞く話ですが、感染予防を徹底したにも関わらず感染してしまい、またその感染経路もわからないという人はたくさんいます。感染予防をしていても感染する人の事例はまるで存在してないかのように扱い、自分は鉄砲玉には当たらない特別な存在だと見なすのは完全なる偏見です。これまでそうだったから、明日も同じ状態が続くというのも根拠がありません。今日まで晴れが1週間続いたのだから、この後も何年も天気が良いままだと誰が信じるのでしょうか。

以上のような偏見を廃するのは、極めて難しいことです。実際に感染して苦しんでもらうしかないのでしょう。結果、死んでしまったら、どうするのでしょうね。私は知りません。

ワクチンは防弾チョッキやヘルメットのようなものです。少なくともそういう防具がない状態で、丸腰のまま、戦場に行くほうが遥かに怖いことです。手指消毒をし、マスクを着用していても、ウイルスというものはそんな粗い網の目をすり抜けるものです。近くに感染者がいたら、一巻の終わりです。東京では、現在までに70人に1人の感染者が出ています。世界では40人に1人です。ニューヨークは2人に1人で、ミャンマーも同じレベルになりかかっています。今日まではたまたま自分がその1人にならなかっただけで、明日自分がその1人になるかもしれません。1寸先は闇です。菅総理のような盲目的な楽観主義は破滅に繋がります。石橋であっても叩いて渡りましょう。

感染し発症しても治療は無料だということになっていますが、ひとまず無料にしてくれているのは政府です。しかし、政府はいずれ健康保険料を上げ、その負担を求めることは確実です。100%の確率で起きます。つまりは、治療を受ける人が増えれば増えるほど、将来、我々の負担が増えるということです。感染しても大丈夫だとか、私は感染しないとか、そんなことを信じるのは勝手ですが、回り回って自分の首を絞める事になるのはわかっておいてほしいです。運悪く感染したら相当に痛い目にあうし、運良く感染しなかったとしても、運の悪い人たちの尻拭いをしなければいけないのです。だからこそ、できるだけワクチンを接種して、集団免疫をつけ、これ以上医療費の負担を増やさないようにすべきなのです。そういう基本的なことが理解できていない人たちが、経済を回せ、さもないと国が滅びるとかほざいているのです。お前らのほうこそ、国を崩壊させようとしているんだろうが(ちなみに国は崩壊しません)。経済を回していると言って偉ぶっている人たちが貢献している金額は微々たるものです。たった数千円の飲み代でしょ。それより、コロナの治療費のほうが遥かに負担が大きいのです。彼らのような考え方を変えなければ、自分たち庶民の生活が単に苦しくなるだけです。

菅首相の答弁、かみ合っていないと「ごはん論法」の教授が指摘、江川紹子氏の質問に/芸能/デイリースポーツ online

菅総理を始め自民党の政治家たちは「ご飯論法」を随所に使います。庶民の飯をまずくする「ご飯論法」を使えることこそが、自民党議員であることの証明ですらあるかのようです。ただ、「ご飯論法」という言葉が普及する前は、彼らの解答の非論理性を意識することが少なかったと思いますが、いまや誰もが知るところのものとなったので、まともな人間であれば、さすがに恥ずかしくて使えないでしょう。逆に言うと、菅総理がいまだに平気で使うのは、まともな人間ではない証拠です。