誰とも関わりたくありません【精神科医・樺沢紫苑】

私は他人には興味がありませんし、積極的に自分から関わろうとも思いません。ワイドショーのように図々しく他人のプライバシーに踏み込んで、その人の置かれている事情を明らかにしようという趣味はまったくありません。これは人間不信の証ではありません。信頼しているからこそ、他人の領域を侵さないのです。それをリスペクトと言います。

そんなことよりも、私にはやらなければいけないことがたくさんありすぎて、わざわざ他人と会って無駄話をしている暇がないのです。家族関係も悪くありませんから、セロトニンもオキシトシンも不足しているとは思いません。犬の散歩も時々していますので、極端な運動不足でもありません。孤独に苛まれることもありません。飼い犬に癒されていますからね。

私の場合は、単に、他人に時間を奪われたり、振り回されることが嫌なだけです。一緒に時間を共有するような感覚を得られる友達ならいいのですが、仲のよくない人、話の合わない人と一緒にいると辛くなるのです。メンタルはやられないようにするために、他人を避けているような節があります。ストレスはたいてい人間関係に起因するものですからね。

このままだと認知症が進むという危機感もありません。私の血族には誰一人認知症がいませんから。でも、妻の側にはアルコール依存症で認知症の老人が1人います。彼は若い頃から勉強が嫌いだったようで、「就職したら勉強しなくて済むんだ」とうちの子供たちにも吹き込もうとしていました。その光景を見るたびに、私はそんな考えは旧時代的なものだと諭していました。「今の時代は一生勉強ですよ」と。でも、私の話なんか馬の耳に念仏で、そのせいか完全にボケてしまいました。介護付きの病院で一生を終えるんだと思います。

話ついでに、うちの息子たちのことを書いておきます。次男は、某予備校の大学受験の模試で複数の志望校に関してA判定をもらって喜んでいました。どれもMARCHに入っています。本番まで残り1ヶ月ですが、あとは忘れないように、高速で復習することに努めるようにとアドバイスしておきました。いまさら、新しいことを学んだり、苦手科目の強化を始めたりしても無駄ですから、今できることを1ヶ月後もできる状態に保つことが重要です。

長男は年末に帰省します。26日かな。あとは両方の祖母の家に連れて行ったり、おいしいものを食べさせたりしてやろうと思っています。日本海側は大雪で大変ですが、ちゃんと帰ってこられるのかなあ。