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資本主義が覆い尽くす世界の悲惨な末路…絶対知っておくべき「マルクスの超重要概念」の恐怖(白井 聡) | 現代新書 | 講談社(1/3) [雑感・日記・趣味・カルチャー]

資本主義が覆い尽くす世界の悲惨な末路…絶対知っておくべき「マルクスの超重要概念」の恐怖(白井 聡) | 現代新書 | 講談社(1/3)

マルクスの唱えた「包摂」とは、インクルーシブ(inclusive)と訳されるような温かいものではなく、資本が労働者を食い物にする、恐ろしい概念とのこと。資本主義の本質を考えれば、誰でも想像できるものでしょう。

資本主義というのは、煎じ詰めれば、資本が自己増殖する動きそのものです。資本というのは無機的なものですが、そんな資本から見れば、労働者なんてものは、自分の道具にすぎません。壊れたら取り替えればいい部品なのです。別の例えをすれば、養分です。資本主義社会の主体は資本であって、労働者ではありません。消費者も労働者と同様に客体です。資本の大義は自己増殖ですから、自己増殖できない環境には見切りをつけ、さっさとよそに移動するだけです。獲物がいなければ、獲物がいそうな場所に移動する狩人のようなものです。A国民にお金がなければ、B国民に売ればいいという考えです。そうやって国境を超えて焼畑農業をするのが、資本主義の本質です。グローバリズムは資本主義の別名であり、両者は車の両輪に過ぎません。

このような自己増殖を目指す資本が支配する社会の住民には、資本主義の暴走は止められず、経済格差は広がることは必至です。だからこそ社会主義的な政策を施し、資本主義の恩恵を受ける企業から税金をむしり取らなければいけないのですが、政治家は資本家や富裕層の味方ですから、資本家からは税金を取りません。そういう行為は、資本の自己増殖を止めることになり、資本主義に矛盾する行為だからです。したがって、税を徴収されるのは、物を言わない中間層です。貧困層には金をばらまくけれども、そんなものは生活の足しになりません。私は社会主義者でも共産主義者でもありませんが、資本主義というものの取り扱いは細心の注意を払わないといけないということは百も承知です。残念ながら、一般庶民は資本主義とは何かという説明ができない人ばかりですから、政治家や資本家のカモになるしかありません。


さて、今日で今年度の土曜日の講座が終了しました。また来年です。受講生からのアンケートを読むと反応は良好でした。私の専門分野の講座では、「寺子屋みたいで面白かった」とか「視野が広がった」と書いていただけました、そういう感想をいただけると、すこぶる嬉しいです。大人相手のこの講座は私にとって「ライクワーク」&「ライフワーク」になっています。土曜日がなかったら、私は何のために仕事をしているのか目標を見失ってしまうくらいです。それ以外の平日の授業は、単純にやりたくないことをやらされているだけですから、正直に言ってまったく身が入りません。いかに手を抜くかしか考えていません。とはいえ、不満を顔に出すのもまずいので、精一杯やる気があるように演じています。明らかに大根役者ですが。「ライスワーク」なんてそんなものなのでしょう。





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