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「食へのこだわり」は控えてほしいです! [雑感・日記・趣味・カルチャー]

「ぶっこみジャパニーズ」の内容に視聴者騒然「やらせであってほしい」 (2019年12月20日掲載) - ライブドアニュース

この手のニュースを読むと、「グローバル化」と「国際化」の違いもわからない人たちが、日本人の圧倒的多数なんだということがわかり、唖然とします。こういう番組が作られ続けているということは、外国人に日本文化を教えてやるという「上から目線」が、日本のアホな大衆に受けているということです。そしてそんなアホの数を増やすことに貢献しているのですから、ひどく残念に思います。本当に日本人としても不愉快なので、こういう番組は直ちに廃止してほしいです。食文化というのは、どんどん混じり合っていくものです。食に国境はないのです。「本場の味」とやらを外国に押し付けたいのなら、ナポリタンとかラーメンとか餃子とか外国由来で日本で独自に発展した「まがい物」はすべて日本から排除しなくてはいけません。それでいいんですか、と愚かな番組製作者に問いたいです。

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先日、「うまい蕎麦は本当にうまいですよね」と「どん兵衛」を食べながら話しかけてきた同僚がいて、答えに窮しました。そういう一般論にうまく反応するのは極めて難しいです。「ご飯ってうまいよねえ」とか「パンってうまいよねえ」とか「肉ってうまいよねえ」とか言われて、「たしかにうまいですね」という愚かしい答え方は私にはできません。味覚というのは個人差が大きいものですし、うまいと感じるものはうまいと感じるでしょうし、すべての蕎麦が美味いという極論は、過剰な一般化に陥ります。そもそも、うまいものはうまいというのはトートロジー(同語反復)です。彼はいつもそういうトラップを仕掛けてくるので大変困ります。

私は食にこだわりがある人は苦手です。他人が何を食べようが勝手でしょう。世間には、科学者でもないのに、何々は健康に良いとか悪いとかいう人が多いし、「そういう食生活をしていると早く死ぬよ」とか予言者のように脅す人までいて、嫌悪感を覚えることがあります。まったく余計なお世話です。飯は黙って喰えや、コラ!

食事をシェアしながら、仲良くするということを狙っている人が世の中には多いように感じられます。彼らの多くは無意識のレベルでそう思い込んでいるのでしょう。しかし、私はそういう考えに与しません。実はタバコにもそういう効果があったことは意外に知られていません。タバコというのはアメリカの原住民が、他の部族との争い事を避けるために使ったものだそうです。タバコを吸うと良い気分になるのももちろんあるでしょう(私は一度も吸ったことがないのでわかりませんけど)。しかし、同じタバコを吸うこと(間接キス!)や、空気に色をつけることで、同じ空気をシェアしていることを視覚化することで、友好関係を深めるという意図があったという話を昔聞いたことがあります。それが今は皮肉にも他者を遠ざけるものとされています。

タバコの「煙害」と同じように、食事にもネガティヴな側面があるのではないかと最近気づきました。近頃はヴェジタリアンやヴィーガンも一般化していますし、宗教的理由で牛や豚肉やアルコールを避ける人もいますし、私のように(比較的ゆるい)糖質制限食を実践している人もいます。だから、昔とは違って、他人を気軽に食事に誘うというのは危険な行為になっているように思われます。世間にはいろんな人がいるということを前提にしている人は、きっと「蕎麦はうまいですよね」みたいな価値観の押しつけはしないと思います。



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