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歯医者に行ってきました [雑感・日記・趣味・カルチャー]

歯医者に行ってきました。9時過ぎに予約の電話をしたのですが、9時半に来てくださいと言われました。これは珍しいことです。

診察室に入るやいなや、先生は両腕を広げ、「いまはこんな状態なんです」と言って、開けていても患者がほとんど来ないということを体で示していました。

確かに、私が治療を受けている間も、電話も鳴らず、誰ひとり来ることはありませんでした。

先生もこのままでは経営が立ち行かないので、どうしようかと思案しているようでした。

私は先生に安心してもらえるように「月末までにはなんとかなるはずですよ。埼玉はとりあえず大丈夫だと思いますよ」と伝えました。

「確かに、東京は危ないみたいだね。公共交通機関を利用するのが悪いみたいだよ。でも、このへんだと、東京に通勤する人も多いので・・・」

私がコロナウイルスの患者ではないことを伝えないと、先生は本当には安心してもらえない雰囲気だったので、他人にはあまり話さない自分の仕事のことを話しました。

「私は大学で教えているんですけど、春休みからずっと休みなんで、4ヶ月近く電車にもバスにも乗っていませんよ。」

そんな話をしたら、先生の息子さんも、どこかの大学の歯学部に通っているらしく、往診の実習ができずにいるという話をされました。往診実習では、車ではなく電車でいろんな歯科医に足を運ぶんだそうです。それができないまま、卒業させちゃうんだろうかと心配していました。

「実はうちの息子も理系の大学に通っているので、家でオンライン授業は受けてはいますが、実験の実習が受けられない状態です。そんなんでいいんですかねえ。」と私も話を合わせました。

治療が終わってから、診察代を支払うときに、先生はマスクを外し、「中には、マスクさえしない患者さんも来ることがあるんですよ。もし来られるなら、午前中は開けておきますので」と一言。

維持費の問題もあって、医院をずっと開けておくわけにはいかないというのと、無神経な患者さんがいるので、それも嫌だと言う意味として私は受け取りました。先生はいつも江戸っ子みたいに歯切れのいい物言いをするのですが、今日の先生はなぜか、言葉尻を濁すと言うか、ぼやかすような話し方をしていました。先生のところはもう20年以上通っているのですが、さすがにご高齢になりました。数年前にガンか何かの病気で長期入院されているので、そういうのもあって、医院をしばらく閉めようかと思われているようです。

治療中に先生は、「安倍さんは10万円の給付を一回限りで終わらせようとしてるね。日本にはお金がないから」という話もしていました。それについては、私は「そうですね」くらいで、いつものようには安倍批判はしませんでした。もちろん、口を開けていたので、話せなかったというのもありますが。

帰り際に「なんかみんなおかしくなっていますよ」と先生が一言。即座に私は「みんな集団ヒステリーですよね」と答えました。

こういう最中、家族以外の人とのちょっとした雑談は、安心材料になります。

とはいえ、先生はフェイスシールドさえ着けていませんでした。本当に大丈夫なんでしょうか。