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ヘーゲルの弁証法 [資格・学び]



人類は矛盾を超えて進歩する。テーゼ × アンチテーゼ = ジンテーゼ。

悟りを開いたような人は別として、人間は誰しもパースペクティヴ(遠近法)の虜なので、見ている世界が狭いのです。この世界には視野の狭い人ばかり暮らしているので、自分とは違う考え方の人と衝突するのは常です。おかげでみなさんストレスが溜まりまくりです。

バトルによって、その矛盾を解決するという姿勢は殊勝だと思いますが、そもそも禅仏教のように、この矛盾に満ちたドロドロした世界をありのままに受け入れる努力をするのも重要なんじゃないかと思います。近年アメリカで流行中の「マインドフルネス」は、本来は、西洋的な正反合一を目指す西洋的な思想から解放されて、すべてをありのままに受け入れる東洋的な姿勢を養うものじゃないのですかね。究極的には、「いずれが曲いずれが直なるかを知らず」として、世の中はそういうものなのでしょうという寛容に受け入れる態度です。

戦いを人類の進歩に欠かせないことだとして肯定するヘーゲル的世界観が、アドルフ・ヒトラーによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)を生んだ大きな原因になっているわけですから、弁証法は取り扱い注意です。

1960年代に激化した学生運動はヘーゲル哲学とマルクス主義を融合させたものです。プロレタリアート革命というやつです。搾取される側の労働者(プロレタリアート)が搾取する側の資本家(ブルジョワジー)を叩き潰せば、理想の世界が到来するというわけです。実際そうはならなかったのは周知の事実です。

男女差別を撤廃するフェミニズムも背景には弁証法への信憑があります。女性は男性が独占している権利を奪い返すのだ、という戦闘的な人たちがかつていましたが、結果みな失敗しています。

バトルを肯定するヘーゲリアンは率直に言って(私の主観ですが)バカだと思います。

ワクチン否定論を広めた米男性、COVID-19で亡くなる  - BBCニュース

ワクチン否定論を広めた12人の1人がCovid-19で死去したとのこと。この方が所属していた教会はたペンテコステ派のヒルソング教会だそうです。ジャスティン・ビーバーも信者のようです。

Hillsongの曲は、私もバイオリンやチェロで練習しています。もちろん、信者ではないですが、美しいので、惹かれるものがあります。こういうやつです。



ヒルソング教会を創設したブライアン・ヒューストン牧師は教会の信徒に「医師の助言に従うよう」呼びかけたそうです。複雑ですね。

イジメを煽り続けてきた「テレビ業界」、小山田報道で見えたその「罪悪感」と「後ろめたさ」(片岡 亮) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)

昔からテレビはイジメで飯を食っているようなものですから、イジメっ子を懲らしめる側に回る資格はないんですよ。典型的なのはワイドショー。イジメは良くない、不倫は良くない、などと正義漢ぶって、自分たちのターゲットをイジメているだけです。お笑い芸人も誰か(主に相方)をバカにして飯を食っています。アレは芸ですから、それはそれでいいとは思うのですが、でも、ああいう笑いはすっかり時代に合わなくなりましたね。

「自分の欠点は直すべき?」カラ回りする自分を描く“発達障害グレーゾーン”の漫画に共感の声|ウォーカープラス

私もダメ人間ですから、お気持ちはよくわかります。どうしようもないですよ。自分を受け入れるしかありません。意識高い系、老害、体育会系、どれもこれも私は苦手です。自分の常識を押し付けてくるだけのアホだと思っています。

グレーゾーンの側の人間は、何でも自分が悪いんじゃないか、自分のせいではないか、自分が責められているのではないかと考える癖がついてしまっています。実際は、自分が悪いわけではなく、世の中のほうが狂っているのです。ものの見方を変えて、そんなことはどうでもいいやと開き直れば、どうにかなるものです。自分が世の中に合わせるのではなく、世の中のほうが自分に合わせるべきだと思うしかありません。君たちの考えている世界だけが世界じゃないんだよ、と。