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ときめく=Spark joy [雑感・日記・趣味・カルチャー]

「Spark joy? – こんまりメソッド」- 部屋を片付ける8つのコツを英語でご紹介 | English Lab(イングリッシュラボ)┃レアジョブ英会話が発信する英語サイト

こんまり(近藤麻理恵)さんの片付け方法が数年前にアメリカで大ブームになり、"KonMari"が「片付ける」という言葉もになり、こんまりさんは大金持ちになりました。キーワードは「ときめく」という感覚的な言葉であるのが面白いのですが、その言葉は英語ではSpark joyという能動的な言葉に訳されていたそうです。「喜びに火を付ける」だなんて非常に良い「詩的な」訳であると思います(余談ですが、ポエムが日本ではバカにするときの言葉になってしまったのが日本人の精神の貧困さを物語っています)。これこそがこんまりさんがアメリカで受けた理由に違いありません。

英語圏では、"Enjoy yourself!"は、別れ際の挨拶によく使われるくらいですから、彼らは楽しむことが重要だという考え方にふだんから親しんでいるようです。(ちなみに、"Enjoy yourself!"は「自らの意思で自分自身に喜びを注入する」という意味です。)昔々、私もある国に海外旅行をしたときに、その言葉を何度も何度も観光客や土地の人から言われた記憶があります。アメリカにもそういう文化的背景があるからこそ、こんまりさんの「ときめく」という言葉は、彼らの心に火を着けたと想像できます。

一方、日本では「ときめく」よりも「断捨離」という言葉のほうが人口に膾炙しています。「断捨離」を構成する漢字は、すべてがネガティブで、修行を思わせます。(「断つ」「捨てる」「離す」ですから、モノに対する愛情や敬意を感じさせない、嫌な言葉です。)日本では、我慢が美徳とされ、辛いことに耐え、乗り越えることが重要だと信じられていますが、その修行っぽさが日本人の感覚には合っているのかもしれません。

私個人としては、修行は嫌いです。楽しくないことはしたくありません。楽しくなかったら楽しめるように工夫を凝らせばよいはずです。そもそも人間は嫌なことをするために生きているわけではないと思います。また、嫌なことを楽しくするという創意工夫を怠るのが日本人の悪い癖ではないでしょうか。

まとめますが、日常に溢れかえる不快さを取り除く手段として、片付けを楽しい遊びに変えたのが、こんまりさんがブレイクした理由なんだと、spark joyという訳語から想像できます。私もそういう視点で、今日から家の片付けをしようと思います。断捨離には、何もかも捨てることができる自分が美しいみたい感覚がありますが、あれは精神的によくありません。上掲サイトにまとめられているように、片付けをゲームみたいにするアイデアは素晴らしいと思います。

蛇足ですが、日本人は「片付ける」を整理整頓するではなく、文字通り、壁側にくっつけて置くだと思っている人がいます。貧困の時代の名残りでしょうか。現代の日本人の家にはモノが捨てるほど溢れかえっているはずですが、日本人の脳みその中身は依然として貧しいままなのでしょう。