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テレビは「正しく怖がりましょう」 [コンピュータ・ネット・テレビ]

三浦春馬さんでも繰り返された、「ルール無視の自殺報道」という深刻な人災(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース

テレビが芸能人の自殺やコロナ感染死をしつこく報道したり、トイレットペーパーがなくなるという報道をすることによって、自殺が増えたり、PCR検査を受ける人の数が増えたり、在庫が有り余っていたはずのトイレットペーパーが店頭から消える現象が起きていることにテレビはあまりに無自覚です。

テレビ番組の司会者は視聴者にはルールを守るようにとか、正しく怖がりましょうとか、道徳的なことを言いますが、実際は彼らのほうがルール無視の暴走族みたいなものです。30年前のオウム報道でも同じことが繰り返され、世間から避難を浴びてワイドショー文化は一旦は下火になったはずですが、なぜかまたもや知性的ではない人たちが、てんでバラバラな素人意見をぶつけて大騒ぎをする場所になっているようです。

原因は番組制作者に知性がないからでしょう。また知性のない視聴者が喜んで見るからでしょう。昨日たまたまテレビを見ていたら街頭インタビューの字幕に「風潮されている」と表現が出てきました。インタビューされた人は「吹聴(ふいちょう)されている」と言っていました。知性のない人が番組を作っている証拠の一つです。やはり、そんなものは見る価値がないと思いました。

コロナ感染者が増えると、「夜の街が〜」と始まります。これも知性のない証拠です。自分の頭で考えられないのです。そんなふうにいつまでも「犯人探し」を続けていては、感染拡大は止まりません。これは個人が悪いわけではなく、構造的な問題です。夜の街の感染者数よりも、感染経路のわからない感染者の数のほうが多いのですから、夜も昼も関係ありません。ウイルスが昼になると寝静まり、夜になると活発に起き出すようなそんな現象は確認されてはおりません。何かをスケープゴートにして安心したいだけなのでしょう。そんな犯人探しをして安心しているような人間は信用できません。

対策としては、移動を制限し、集団になることを避けるということしかないのです。まずは、感染が拡大している都内に満員電車で通勤するような無謀な真似はやめることです。代わりに、オンラインで仕事をするようにしなければいけません。大学の中には、対面授業を再開させたとたん、感染者が出て、再びオンライン授業に戻したところもあります。高校などでもクラスターが発生しています。集団を作るから、感染が拡大するのです。

タバコを吸っている人が10メートルくらい先にいたとします。風向きによっては、その人の吐いた煙をわれわれは吸い込まなければいけません。タバコの煙は色や臭いがついているのでわかりやすいですが、ウイルスの混じった息には色はついておらず、臭いもほとんどないでしょう。目に見えないからといって、存在していないわけではないのです。そういうものをできるだけ共有しないためには、移動せず、集団を作らないことしかありえません。

経済を活性化させることと、コロナ感染を食い止める方策とは矛盾しているかもしれません。しかし、我々のライフスタイルや価値観を変えていくことが迫られているというのに、昔の価値観で押し通していくのでは、状況の変化に対応できず、全滅するだけです。自民党のパンフレットにも、「変化しないものは滅びる」というインチキなダーウィニズムが書いてあったようですが、彼らはなぜ自らそれを実行しないのでしょうか。

新しい価値観で経済を活性化させる方向に舵を切ることも考えていかないと、感染者の数が増える一方になるはずです。

テレビ的な価値観というのは、時代の変化にすでに合っていません。構造に着目できない知性のない人たちが番組を作っているのですから、仕方がありません。上っ面だけを追っかけているだけのゾンビたちこそ、我々が正しく怖がるべき対象です。

今日は連休の初日なんですね。妻も次男も7時になっても起きてこないので心配しました。高校も休みだったんですね。大学はカレンダーに従わないので、今日は休みではありません。おかげで今の今まで気づきませんでした。


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