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歴史的偉人が現代人を論破するアニメ【第14弾】 [資格・学び]



将来役に立たない課題をなぜやらせるのかという生徒の疑問に答えない教師をアダム・スミスが論破するというアニメです。

このアダム・スミスに共感する人も多いのかも知れませんが、私は賛成できません。まず、生徒が「役に立たない」と断定してしまっていることに大きな問題があると考えます。役に立つか立たないかは学んでいる途中の人間にはわかるはずもありません。学問が発展するにつれ、それまで役に立たないと思われてきたことが、実は役に立つものだったということがわかる可能性もあります。教師は生徒のそういう安易な考え方を論破すべきだったのです。

理系の基礎研究というのもそういうものです。何の役に立つのかわからないことだし、おそらく99%は何の役にも立たないのでしょうが、残りの1%は人類の進歩に役に立つかもしれないのです。その1%を意味のないものだと見なせば、人類の発展はそこで終わりです。けしからんことに、日本政府はいまお金に変換できることはお金を出すが、基礎研究には資金を出さないようにして日本の将来を潰しているわけです。3流のビジネスマンのような近視眼的な発想です。

もちろん、こんなの何の役に立つのかと疑問を抱く生徒は確かに学問に向き合う本来の姿勢に近いものです。しかしながら、基礎的な知識をおろそかにすれば、学問の土台を持たないので、体系的な思考が可能にならず、その疑問を発展させて、人の役に立つような業績をなすことにはつながりません。

学問というものは、単語を覚えるような基礎的なレベルからスタートして、それを応用し、新しいものを生み出していく高度な過程まで含みます。30センチのハードルすら飛べない人が、どうして1メートルのハードルを超えられるのでしょうか。生徒が言っていることのほうが意味不明です。