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対面授業ほとんどなかった前期の授業、「学費にふさわしくない」6割強 : ニュース : 教育 : 教育・受験・就活 : 読売新聞オンライン [資格・学び]

対面授業ほとんどなかった前期の授業、「学費にふさわしくない」6割強 : ニュース : 教育 : 教育・受験・就活 : 読売新聞オンライン

私も学生の立場になったら。学費を安くすべきだと主張すると思います。うちの大学生の長男は、私の苦労を間近に見ているので、学費を安くしろなんてことは一言も言いません。一方、教員の立場から言わせてもらうと、負担が激増しているので、給料を上げてもらいたいです。仕事の量も増え、休みも減ったのです。通勤時間はなくなってよかったのですが、電車の中でけっこう集中して仕事もできたし、授業中は学生と無駄話もできたし、教室で学生に作業をさせる時間のほうが長いので、対面授業のほうがはるかに楽でした。同僚の先生方との談話も思い返せば、けっこう楽しかったです。今は学生相手にストレス発散ができないので、うんざりしています。早くコロナ前に戻って欲しいです。「ウィズコロナ」なんてクソ喰らえです。

マスコミは、こういう記事を書いて、大学の先生がまるで仕事をサボっているかのような印象操作をしていますが、実際は、教員の負担は増えてしまっていることも伝えてほしいです。世間一般に、教員の気持ちを理解できない人やわかりたくもないという人のほうが多いのでしょう。しかし、うんざりしているのは、学生たちだけではないのです。それに悪いのは、明らかに教員ではありません。

誰が悪いというのではなく、単に、新型ウイルス感染症が広がってしまったという事実があるだけです。マスコミは、犯人探しをしたり、誰かに八つ当たりをしたりするのが大好きですが、犯人がいないこともあるのです。人類には制御できないゆえに、甘受しなければいけないことや、あきらめなければいけないこともあります。嵐が過ぎ去るまでじっと待つしかないときもあるのです。強烈な台風に襲われている最中に、地球温暖化を促進している石油関連企業や、そういう企業を後押しするトランプ大統領に呪詛の言葉を投げかけても、嵐の被害が減るわけではありません。何も変わりません。とにかく、いまは自分たちにできることだけをするしかないのです。

大学のオンライン授業に不満を抱えている学生たちの多くは、教員を活用しようという意識が低いのではないでしょうか。私の教え子のある学生は、ほぼ毎回メールで質問をしてきます。そのたびに、いろいろ教えているのですが、そうやって教員を活用すれば、対面授業以上に有意義な時間を過ごせると思います。受動的に課題をこなしているだけだからこそ、そんなふうに大学に不満を抱くのでしょう。

そもそも大学は、教えてもらうところではありません。「学生」というのは、誰かに教えてもらう人ではなく、自ら学ぶ人のことを指します。大学は自ら学ぶ人のための研究機関です。小中学校のような「学校」とはまったく違うのです。いい加減、大人になってほしいです。マスコミの方々も意識を変えないと、大学がますます幼稚園化していってしまいます。

いまの50代、60代の人たちなんて、大学時代に授業にまったく出席もせず、アルバイトとサークルに興じていた人たちです。そのくせ、自分たちが大学生の親世代になると、大学はちゃんと勉強を教えていないとか言い出すのですから、矛盾しています。バカバカしいですね。



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