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いまさら感 [雑感・日記・趣味・カルチャー]

本日4月25日(日)、緊急事態宣言が東京、大阪、京都、兵庫に発令されました。緊急事態は、1年以上続いているので、「いまさら感」があります。逆に言うと、いつの時期が緊急事態ではなかったか、はっきりと思い出せないくらいです。この緊急事態という非日常がすでに日常になってしまったので、宣言が発令されても驚きは一切ありません。休業要請された店舗や施設にお勤めの方以外の労働者は、みなさん、ふつうに通勤通学されることと思われます。

私の家がある埼玉は「まん延防止等重点措置」が取られていますが、だからといって、以前と何ら変わりない生活を送っています。学校や大学が休校になったりしているわけではなく、私の高校生の息子も対面授業のままです。ただ、東京の緊急事態宣言を受けて、授業開始時間は30分遅れ、55分授業が50分授業になるそうです。

私が勤める東京のある大学から、授業をオンラインにしてくれという連絡が来ました。その命令に従って、「緊急事態」中の2週間は、オンデマンドの授業にしたいと思っています。5月4日も授業があるという非情なスケジュールだったので、休講にしようかと思っていたところでした。まさに「渡りに船」です。

また、別の東京の大学からは、大学としては、通学に不安を感じている学生には対面授業への出席を強制しない方針だとの連絡が来ました。一方、教員は死んでもいいから教室に来てもらうつもりだそうです。彼らは私が死んでも一切の責任を取ることはないのは明白です。従業員よりお客様が大事なのです。それがいまの大学の醜悪な姿です。バカバカしくてやっていられません。というか、私にも生活がありますので、自分の命の危険を顧みず、勝てない相手(新型コロナウイルス)と負け戦を戦わざるを得ないのです。

政府は17日後の5月11日に宣言を解除する予定ですが、その頃はおそらく、今よりも感染者数が増え、私もお陀仏になっている可能性があります。病院が野戦病院のようになって、病院の外にも重症患者が溢れ出し、感染者のほとんどが治療を受けられず、自宅療養を強いられ、そのうちにバタバタと死んでいくのでしょう。学校、大学、職場でも、クラスター(集団感染)が大量発生し、もはやニュースにもならない事態になっているかもしれません。

コロナ対策の完全な失敗を政府や自治体は認めようとしませんが、本来はPCR検査、抗体検査をかんたんに受けられるようにし、感染者を隔離するという方法をとるべきでした。コロナ禍の初めの頃から言われていたものです。それをせずに、むだに飲食店イジメをしたり(パチンコ屋イジメもありました!)、「GoToトラベル」で感染者を地方に大量に送り込んだり、海外からの感染者の流入を野放しにしたり、聖火リレーを強行して感染拡大を促したり、感染を食い止めるどころか、促進するだけの政策を場当たり的に行ってきました。その思いつきだけの、非科学的な対策しか取れない為政者に対して、私はすでに呆れ果てています。怒りの感情すら覚えなくなりました。

ヤフーニュースのコメント欄(ヤフコメ)を読んでいると、政府を擁護する書き込みはまったくありません。初期の頃は、そういうものもありましたが、いまは政府や都知事への憤りを吐き出すものばかりです。

人間は異常な事態に遭遇すると、まずは(そんなものは存在しない。幻想だなどと)否定し、その後、(それが否定し得ない事実であること受け入れ)反発や怒りの感情を覚えます。怒りが収まると、次は(自分の無力さに)失望したり、(何をしても仕方がないという)諦めの感情に移行します。そこで自殺をする人も出てくるのです。最終的に、事態をありのままに受け入れ、すべてを許す境地に達する人もいます。そこにたどり着くのは相当にハードルが高いと思われます。

ヤフコメの住人は、いま怒りのステージにいます。それは「五輪を中止せよ!」という叫び声に如実にあらわれています。同じ人達が何度も書き込んでる可能性が高いのですが、それでも、日本人の大半は五輪開催は無理だと思っているはずです。国民の命も守らず、経済も破壊している政府や都への怒りをぶちまけるのは当然です。

ただ、ひとつ心配なことがあります。五輪の中止が決定した場合、ヤフコメで怒りを爆発させている人たちは、鉾をおさめなければいけなくなります。その鋭い切っ先は、自分自身に向かうようなことがあれば、ヤバい状況になります。お祭り騒ぎにように、ギャーギャー言っていられるうちが花です。怒りの対象を失ったときに、彼らはどうするのでしょうか。中止になったからと言って、怒りは収まらないというのであれば、まだ健康的かもしれませんが。